WRC2018/09/13

ヌーヴィル、トルコのシェイクダウンで一番時計

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 世界ラリー選手権第10戦ラリー・トルコ・マルマリスのシェイクダウンが13日に行われ、ヒュンダイ・モータースポーツのティエリー・ヌーヴィル(ヒュンダイi20クーペWRC)が3分24.9秒のトップタイムをマークした。

 8年ぶりにWRCに帰ってきたラリー・トルコだが、トルコでのプレテストが認められていないため、各マニュファクチャラーはポルトガル、ギリシャ、フランス南部でのテストを行ってきたものの実際のステージで走行した経験はない。そのためシェイクダウンは各マシンに仕上がりやセットアップの状態を見るうえでも大きく注目されることになった。

 デイルメンヤヌの4.50kmのシェイクダウン・ステージは、曲がりくねったコーナーやブラインドコーナーが特徴的だが、大量の尖った石とダストに覆われた路面はこのラリーを比較的代表するコンディションだと言われている。

 アスパランのサービスは青空も出ているが、気温は24度とそれほど高くなく、天気予報は昼までに雨が降る可能性もあると伝えている。1回目の走行でベストタイムを奪ったのは、8番手のポジションで走行を行ったマッズ・オストベルグ(シトロエンC3 WRC)、これに1.7秒差で続くヘイデン・パッドン(ヒュンダイi20クーペWRC)は11番手と、いずれも後方のポジションのドライバーが上位を占めることになった。

 選手権トップのヌーヴィルは1番手で走行したために路面掃除に苦しんで4.2秒もタイムをロスして7番手タイム、タフな週末を覚悟したかのように「このようなコンディションは見たことがない」と悲鳴を上げることになった。また、選手権2位につけるセバスチャン・オジエ(フォード・フィエスタWRC)は巻き上げられたダストで視界に苦しんでヌーヴィルの0.1秒遅れ、さらに3番手でコースインしたオイット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)はジャンクションでエンジンをストップさせてトップから24秒近く遅れることになり、上位陣はそれぞれが深いダストと石に悩まされることになった。

 2回目の走行以降になると路面はどんどんクリーンになり、オストベルグのタイムを6.7秒上回ったヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)が3分29秒のトップタイムを奪ったが、路面がかなり荒れ始めた3回目の走行でヌーヴィルが3分24.9秒でタイムを更新、オジエが1.6秒差の2番手タイムでぴたりとつけることになった。

「3回目の走行でかなりプッシュしてみたが、この路面でのマシンはすごくフィーリングだったよ。タフな路面のラリーになりそうだが、僕らはマシンが頑丈であることを知っているが、2回目の走行ではグリップもかなりグリップもあったのでラリー中にその恩恵を受けることを願っているよ」

 シェイクダウンでトップになったとはいえ、ヌーヴィルは明日のステージでは選手権のためにも戦略が必要になると考えているようだ。

「キプロスやギリシャのラリーのようだが、初日のステージは少しだがより荒れている。このラリーは僕らは最初に走るために異なるアプローチが必要だ。いつもはそのポジションからいいステージタイムのためには少しプッシュしなければならないが、今週末は、他のイベントよりもリスクが高いことを考える必要がある」

 ヌーヴィルから2.1秒差、オジエからは0.5秒差の3番手タイムでラトバラ、さらに1.6秒差の4番手でタナクが続いている。

 3回目の走行のあとほとんどのドライバーたちがサービスに戻っており、セットアップを変更したあとふたたびコースに向かう計画のドライバーもいたが、突然、前方が見えないほどの激しい雨が降り始めたためにステージは中断してしまう。

 アンドレアス・ミケルセン(ヒュンダイi20クーペWRC)は1回目の走行で5番手タイムを出したあと不運なことに2回目の走行の際にトランスミッション・トラブルのためストップしてしまった。彼はサービスでマシンの修理を行ったあとコースに向かったが、雨に阻まれて満足な走行を行うことができず、11番手に終わっている。

■シェイクダウンタイム
1. T.ヌーヴィル 3分24.9秒
2. S.オジエ 3分26.5秒
3. J-M.ラトバラ 3分27.0秒
4. O.タナク 3分28.6秒
5. E.エヴァンス 3分29.3秒
6. E.ラッピ 3分29.4秒
7. M.オストベルグ 3分30.3秒
8. C.ブリーン 3分31.6秒
9. T.スニネン 3分31.8秒
9. H.パッドン 3分31.8秒
11. A.ミケルセン 3分38.7秒
12.K.アル-カシミ 3分57.9秒