WRC2022/07/20

ヌーヴィル、ロヴァンペラを追うことを断念

(c)Hyundai

 ヒョンデ・モータースポーツのティエリー・ヌーヴィルは、世界ラリー選手権のタイトル争いに白旗を振り、今シーズンの残り期間で選手権リーダーのカッレ・ロヴァンペラを捉える望みはほとんどないことを認めた。

 全13戦で争われる今季、先週末に行われたエストニアはシーズンの折り返し地点となる第7ラウンドだ。5勝目を挙げてパワーステージで最大ポイントを獲得したロヴァンペラに対して、ランキング2位のヌーヴィルは4位に終わるとともにパワーステージもノーポイントに終わり、獲得ポイントはロヴァンペラの175ポイントに対して92ポイント。二人の差はすでに83ポイントへと広がっている。

 ヌーヴィルは今季、これまで未勝利となっており、この週末もヒョンデi20 N Rally1の信頼性に悩まされた。彼は、エストニアでは明らかに昨年よりパフォーマンスが後退してしまったと指摘した。

「去年はいいラリーができたし、表彰台を狙えた。しかし、今年は間違いなく力不足だった」とヌーヴィルは語った。

「いろいろなことが重なってしまった。まず、マシンのフィーリングが良くなかった。レッキで少し体調を崩したこともあり、いろいろなことが重なり、うまくいかなかった。もちろん、パワーステージもうまくいかなかった。視界ゼロで、スタート直後は何も見えなかった」

「期待通りではなかったが、最終的にオイット(・タナク)のすぐ後ろでゴールできたことは、おそらく僕らにできる最善のことだ」

 ヌーヴィルは、このエストニアでも、次のフィンランドでも、トヨタのマシンがベストだと想像していたと認め、先週末にペースが上がらなかったことには驚いていない。

「トヨタがフィンランドとエストニアで常に速いことは知っていたので、それは秘密でもなんでもない。だから、一般的には、そう、いくつかのステップを踏んで、どうなるか様子を見てみようということだった」

 快進撃を続けるロヴァンペラに対抗するために何ができるかを訊ねられ、ヌーヴィルは「何もない」と認め、せめて母国のイープル・ラリーでは必勝を期していくつもりだと語った。

「今のところ、カッレに対して何かするというプランはない。彼はすでに僕らの2倍近いポイントを持っているから、僕の目標は最大限の表彰台を目指すことと、そしてベルギーで少なくとも勝利を持ち帰ることだ」とヌーヴィルは語った。

「他のイベントでもそうだったように、異なるコンディションでは速かったこともあった。いくつかのイベントでは僕らもスピードを出せるだろう・・・」