WORLDWIDE2023/02/09

パストラーナがARAからの引退を表明

(c)subaru.com/rally

 6度のアメリカ・ラリー王者に輝いているトラヴィス・パストラーナが、今シーズン、アメリカ・ラリー・アソシエーション選手権シリーズ(ARA)から引退することを表明した。

 パストラーナは、2021年のARAシリーズにスバル・モータースポーツUSAから参戦、4度の優勝を飾って6度目の米国選手権王座に輝いたが、オフシーズン中にビデオ撮影のために訪れていたフロリダで高層ホテルからのダイビングで骨盤などの骨折を負い、2022年はタイトル連覇に厳しいシーズンを送ることを余儀なくされている。

 パストラーナは開幕戦のSno*Driftラリーを欠場し、復帰したあとのラウンドでもペースが制限されてしまうことになり、シーズンを通して未勝利に終わっている。スバルのチームメイトであるブランドン・セメナックが故ケン・ブロックを破り、タイトルを獲得しており、パストラーナは選手権3位にとどまっている。

 パストラーナは、ARAには数戦には参加するかもしれないと示唆しているが、再び選手権へのフル参戦にコミットすることは、レーサーとしても家庭人としても自分にとって選ぶべき道ではないと感じたと語っている。

「僕はもう25年以上、プロとして2輪と4輪双方でプロとして多くのレースを走ってきた」とパストラーナは語る。

「2022年が始まる前にひどい怪我をし、その後2人の親しい友人が亡くなったことで、僕は一線を退いて、優先順位を見直すことにしたんだ。心の底からレースは大好きだけど、ドライバー、ライダー、父、そして夫でありたいと、今の自分はあまりにも多くのことやろうしすぎている」

「ナイトロ・ラリークロスに集中しようと思っているが、ラリーやオフショア・パワーボート・レーシングからは退くことになる」

 さらにパストラーナは、ARAへの参戦中止の決断が、ブロックの死が一因となっていることを認めている。

「ケン・ブロックの死は、僕だけでなく社会に大きな影響を与えるだろう。彼のファミリーがラリーを続けていくことを選択するのであれば、僕は彼らをサポートしていきたいと思っている。そして、チャンピオンとなったブランドン・セメナックには2023年選手権に向けて幸運を祈っているよ」

 セメナックは、2023年シーズンには、ふたたびスバル・モータースポーツUSAからARAに参戦し、タイトルの防衛を目指す予定となっている。