WRC2024/01/25

ヒョンデ復帰戦タナクがシェイクダウンで最速

(c)Hyundai

(c)Toyota

 ワールドチャンピオンのカッレ・ロヴァンペラが不在となる2024年世界ラリー選手権(WRC)開幕戦のラリー・モンテカルロ。そのシェイクダウンはまるで今季のドライバーズ選手権のタイトル争いを誰が争うのかをはっきりと示す結果となった。トップタイムを奪ったのはヒョンデ・モータースポーツで新シーズンを迎えるオイット・タナク(ヒョンデi20 N Rally1)、2番手にトヨタGAZOOレーシングWRTのエルフィン・エヴァンス(トヨタGRヤリスRally1)、3番手にはティエリー・ヌーヴィル(ヒョンデi20 N Rally1)が続いている。

 ラリー・モンテカルロのシェイクダウンは3.28kmのラ・ガルデのステージに戻り、1月24日木曜の午後16時31分からスタートした。ほぼドライコンディションとなった短いステージはコーナーのところどころに雪どけの水たまりが残る湿った泥があるため、走行によってコースはかきだされた土でマディで滑りやすくなった。

 シェイクダウンの1回目の走行ではタナクがエヴァンスを0.1秒上回る2分00.5秒のトップタイムをマークしたが、このタイムは以降も破られることなくシェイクダウンの最速タイムとなった。

 タナクはトップタイムを奪ったとはいえ、1年ぶりにコクピットに戻ったヒョンデに慣れるためには少し時間が必要だと感じているようだ。

「とてもエキサイティングな気分だが、また新しいマシンに乗って新しいシーズンをスタートすることになるので少しナーバスだよ。このラリーはいつも難しい挑戦だ。前に来たことがあっても、まだ未知の部分が多い。最大限の努力をするよ」

 一番手の走行ポジションでコースの臨んだエヴァンスは表面を覆うダストのせいか全体的にグリップに苦しんだと報告しており、明日以降の彼の課題になるかもしれない。それでもライバルのヌーヴィルには0.7秒差をつけている。

 短い距離のシェイクダウンとはいえタイムは必ずしも意味のないものではないことを、モンテカルロで9度の優勝経験をほこるセバスチャン・オジエ(トヨタGRヤリスRally1)は証明してきた。彼は2020年以降に行われたモンテカルロのシェイクダウン(2021年は中止)で、すべてトップタイムを奪ってきたが、今年はトップから0.9秒差の4番手タイムにとどまり、2.2秒差でチームメイトの勝田貴元(トヨタGRヤリスRally1)が5番手タイムで続いている。

 勝田の2秒後方の6番手にはRally1初参戦となるアンドレアス・ミケルセン(ヒョンデi20 N Rally1)が続き、グレゴワール・ミュンスター(フォード・プーマRally1)がデファレンシャルに問題を抱えたチームメイトのアドリアン・フールモー(フォード・プーマRally1)を押さえて7番手で続いている。

 また、モンテカルロは新しいトヨタのGRヤリスRally2が4台も出場したことでも注目されるが、WRC2ではニコライ・グリアジン(シトロエンC3 Rally2)が2分8.8秒のトップタイム、チームメイトのヨアン・ロッセル(シトロエンC3 Rally2)が0.5秒差の2番手、オリヴァー・ソルベルグ(シュコダ・ファビアRS Rally2)が1.5秒差の3番手タイムで続き、注目のサミ・パヤリ(トヨタGRヤリスRally2)はRC2クラスの4番手につけている。