ERC2024/05/06

ボナートがカナリアス優勝、カショーンが猛追3位

(c)RedBull Content Pool

(c)RedBull Content Pool

(c)RedBull Content Pool

 2024年ヨーロッパ・ラリー選手権(ERC)の第2戦、ラリー・イスラス・カナリアスは、フランス・チャンピオンに5度輝いているヨアン・ボナート(シトロエンC3 Rally2)がマチュユー・フランセスキ(シュコダ・ファビアRS Rally2)を破って2年連続勝利を飾ることになった。

 ボナートは、フランセスキにわずか0.3秒をリードして最終日をスタートしたが、2連続のベストタイムを奪ってライバルに6.9秒差を築いて朝のループを終えることになった。

 グラン・カナリア島の太陽が照りつける暑さの中、フランセスキは午後のステージで反撃をみせたが、ボナートは2.8秒差でスリリングな戦いを制して、2 年連続でラリー・イスラス・カナリアスを制することになった。

「とてもうれしいよ、気温が上昇し、2回目のループは厳しいものだったが、すべて順調だった。本当にトラブルもなく簡単だった!」と、ERCでの3度目の勝利を収めたボナートは語った。

「みんなに感謝しているし、新しいチームのトラジェクトス・モータースポーツにも感謝している。ラリーでの勝利は僕たちにとっても、チームにとっても、そしてここにいる僕の家族にとっても良いことだったが、なんといってもこの週末を代表するドライバーはフランセスキだった。彼はとても良い週末を過ごした。シーズン終盤に彼がチャンピオンになることを願っているよ」

 最終日も2つのステージで最速タイムをマークしたフランセスキは、首位に追いつくまでには至らなかったが、開幕戦のラリー・ハンガリーに続いて2位でフィニッシュ、カナリアスを欠場したシモーネ・テンペスティーニを抜いて選手権リーダーに躍り出した。

 昨年はフランスのグラベル・チャンピオンに輝いているフランセスキはグラベルでの実績は高く、その自信とともに、今季からERCに本格的に挑んできたが、ターマックでの経験は少ない。彼はカナリアスのターマックにおける結果は予想外のものだったと認めた。

「またしても素晴らしい週末になった。信じられない結果だね。ターマックですべてを学ぶ必要があるので、カナリアスのターマックでこの順位になるとは思っていなかった」とフランセスキは語った。

 残された表彰台をめぐるバトルは最終日のハイライトとなった。奇跡的な追い上げをみせた地元スペインのアレハンドロ・カショーン(トヨタGRヤリスRally2)が終盤でシトロエン・スペインのディエゴ・ルイロバ(シトロエンC3 Rally2)とスペイン王者のスペインのホセ・スアレス(シュコダ・ファビアRS Rally2)を相次いで捕らえ、3位に飛び込むことになった。

 カショーンは初日、2つのステージでベストタイムを奪って首位に立った後、右フロントタイヤをパンクして17位までポジションを落としている。しかし、彼はそこから再び2連続のベストタイムを奪って9位まで挽回して最終日をスタート、じわじわと順位を挽回したあと、強力なスペインのライバルとの三つどもえの決戦を制し、残り2つのステージで6位から3位まで浮上してみせた。「素晴らしいラリーだった。チームは素晴らしい仕事をしてくれた。マシンは素晴らしく、初めてここに来てリズムをつかめたことは素晴らしい。チームとトヨタに感謝している」とカショーンは語っている。

 ERCチャンピオンのヘイデン・パッドン(ヒョンデi20 N Rally2)はレグ2を3位でスタートしたが、アンダーステアの問題でペースを維持することを妨げられ、6位に甘んじなければならなかった。それでも彼はERCランキングではフランセスキと21ポイント差の2位に浮上した。

「悪い週末ではなかったけど、結果を見ると悪く見えるね」とパッドンはゴールで語った。「この週末はおそらくこれまでで最も激しい戦いだった。望んでいた結果ではなかったが、努力が足りなかったわけではない。スペイン勢には脱帽だよ」

 ERC3チャンピオンのジョン・アームストロング(フォード・フィエスタRally2)は、インターコムのトラブルが起こったものの、マッズ・オストベルグ(シトロエンC3 Rally2)の追撃から逃れて7位に入っている。

 カナリア諸島出身のイェライ・レメス(シトロエンC3 Rally2)が9位、オーストリアのシモン・ワグナー(シュコダ・ファビアRS Rally2)が10位でフィニッシュしている。二人のERCチャンピオンはトップ10に届かず、エフレン・ヤレーナ(シュコダ・ファビアRS Rally2)は11位、アレクセイ・ルクヤヌク(ヒョンデi20 N Rally2)は13位となっている。

 また、ミコワイ・マルツィック(シュコダ・ファビアRS Rally2)は最終日、7位を争っていたが、テスト用の未登録タイヤを装着していたことからタイヤ違反で2分間のペナルティを科されて19位に終わった。

 ERCジュニアは、ミッレ・ヨハンソン(オペル・コルサRally4)がオペル・ジュニアのカレ・カールベルグ(オペル・コルサRally4)に35.5秒の差をつけて優勝。前戦で初優勝を飾ったマックス・マクレー(プジョー208 Rally4)は4位でフィニッシュし、ランキング争いでは首位に躍り出したヨハンソンに2ポイント及ばず2位に後退した。