全日本ラリー選手権第4戦ラリー丹後が5月11〜12日に行われ、Aheadモータースポーツ・レーシングチームの新井大輝/松尾俊亮(シュコダ・ファビアR5)が今季2勝目を飾ることになった。
全日本は今季、第2戦唐津、第3戦久万高原、そして第4戦丹後が2週間のインターバルでターマック3連戦が行われる厳しいスケジュールとなる。3連戦最後を締めくくるラリー丹後は、丹後半島の高速セクションやテクニカルなコーナーなどをもっており、難易度の高い一戦となる。
ドライコンディションとなったオープニングのステージのSS1では前戦でコースオフのため早々にリタイアとなった奴田原文雄/東 駿吾(トヨタGRヤリスRally2)がベストタイムで発進、同じく前戦はスタート前のトラブルのためにリタイアとなった新井大輝が0.5秒差の2番手タイムで続くことになった。
新井大輝はSS2はベストタイムを奪い、奴田原に1.9秒差をつけてトップに浮上するや、SS3でも連続ベストタイムで5.3秒へとリードを拡大して朝のループを終えることになった。
この日の午後はSS4のみの設定となり、新井大輝がここでは2番手タイムでトップを守り、ベストタイムを奪った奴田原が5.2秒差の2位、さらに3.3秒差で勝田範彦/木村裕介(トヨタGRヤリスRally2)が続いてラリーは折り返すことになった。
また、この日、山林火災が発生したためSS3が消火作業のために途中でキャンセルとなっており、最終日に予定されていた同じステージでの2回の走行が警察の現場検証のために中止となってしまう。日曜日は当初は6SS/ 59.28kmの走行が予定されていたが、スタート前にロードセクションの問題からすでに2SSがキャンセルとなり、最終日は4.84kmのオオウチ・リバースで行われるSS5とSS8のみで争われている。
首位で最終日を迎えた新井大輝はSS5をベストタイムでスタート、雨でウェットとなったSS8でも連続してベストタイムを奪い、第2戦唐津に続く今季2勝目を飾ることになった。また、奴田原と勝田の2位争いは、朝から雨を期待していた奴田原がドライコンディションとなったSS5でベースを落とし、0.4秒差で勝田が逆転で2位となっている。
JN-2クラスは三枝聖弥/船木一祥(スバルWRX STI)、JN-3クラスは長崎雅志/大矢啓太(トヨタGR86)、JN-4クラスは西川真太郎/本橋貴司(スズキ・スイフトスポーツ)、JN-5クラスは大倉聡/豊田耕司(トヨタGRヤリスCVT)、JN-6クラスは清水和夫/山本磨美(トヨタ・ヤリス・ハイブリッド)がそれぞれ優勝を飾っている。
また、トヨタGRヤリスによるワンメイクの若手育成カテゴリー「MORIZO Challenge Cup」は、FIT-EASY Racingの山田啓介/藤井俊樹が開幕戦から4連勝を達成、大竹直生/竹藪英樹 は最多SSトップタイム賞を奪いながらも、惜しくも3.6秒遅れの2位となっている。
「スケジュールの変更などに動揺せず、目の前のSSに集中し、自分たちのベストを尽くすことを積み上げて、良いパフォーマンスを出せました。今回のラリーは精神的な成長が大きかったと感じています。特に2日目は距離が短いので、どうしても前のめりになってしまうところですが、しっかりノートを信じて丁寧に走ることができました。今回、勝ち切れたのは、その点が大きかったと思っています」と山田は週末をふりかえっている。