ERC2020/11/07

マルツィックがミケルセンを抑えハンガリーの首位

(c)ERC

(c)ERC

(c)ERC

 ヨーロッパ・ラリー選手権(ERC)第4戦ラリー・ハンガリーが金曜夜に行われたスーパーSSで開幕、ポーランド・チャンピオンのミコワイ・マルツィック(シュコダ・ファビアRally2エボ)が、アンドレアス・ミケルセン(シュコダ・ファビアRally2エボ)を抑えて、初日をリードした。

 ハンガリーの首都ブダペストの北東部に位置するニーレジュハーザをベースに行われるラリー・ハンガリーは、6日の夜にラボーチリング・ラリークロスコースで行われた2.40kmのオープニングSSで、シュコダ・ポーランドのマルツィックがウェットコンディションとなった難しいコースで1分38.5秒の一番時計を奪い、地元ハンガリーのトップカーズ・ラリーチームからスポット参戦しているミケルセンに0.7秒差をつけるトップタイムをマーク、ERCを初めてリードした。

「僕らはストレートだけが速いのではなく、テクニカルなステージでも速く走れることを証明できたと思う」とマルツィックは語っている。

 ミケルセンにとっては新しいマシンでの初めてのイベントとなるが、ウェットという難しいコンディションのなかでいいペースを掴めたようだ。

「正直コーナーで苦戦したが、スタートはOKだった。何週間か前にテストを行ったが、そこでもグラベルや泥の路面が多かった。今回は初めてのラリーなので難しさもあるが、明日からの本番もこのようなセクションでは自信を持って走ることができると思う。競争が厳しいことは分かっているが、勝利のためにベストを尽くすよ」

 1.7秒差の3位にはオリヴァー・ソルベルグ(シュコダ・ファビアRally2エボ)、2秒差の4番手にはヤッコACCRチームのエリック・ツアイス(フォード・フィエスタRally2)が続いている。2.4秒差の好タイムを刻んだハンガリー選手権リーダーのフェレンツ・ヴィンツェ(シュコダ・ファビアRally2エボ)はタイムコントロールへの遅れから45位とで遅れてしまい、2018年にラリー・ハンガリーを制しているアンドラーシュ・ハディク(フォード・フィエスタRally2)が2.6秒差の5位となっている。

 スタートランプをあとにしたあと、スタートラインまで与えられた時間があまりなかったことから、スタートのカウントダウンが始まるまでの時間がほんの数秒しかなく、多くのドライバーがスタートの手順に混乱することになった。

 選手権リーダーのアレクセイ・ルクヤヌク(シトロエンC3 R5)もスタートでミス、5.5秒遅れの20番手タイムと出遅れ、チームMRFのクレイグ・ブリーン(ヒュンダイi20 R5)は、チームMRFタイヤの8番手タイムでスタートしたが、「とんでもないスタートをしてしまった。気づいたらスタートの2秒前だった」と訴えた。

 この混乱のスタートでもっとも影響を受けたのが、フランス・チャンピオンのヨアン・ボナート(シトロエンC3 R5)だ。彼は20秒もの遅れを喫して40位というスタートとなっており、昨年のラリー・ハンガリーで見事は初のERC優勝を飾ったフリジェス・トゥラン(フォルクスワーゲン・ポロGTI R5)もスタートミスで11番手となっている。

 ERC2では、ホームヒーローのティボール・エルディJr(三菱ランサーエボリューション)が選手権のライバル、ゼリンド・メレガリ(スバルWRX STI)が7.2秒差をつけてラリーをリード、アバルト・ラリーカップのリーダーであるアンドレア・マベッリーニ(アバルト124 RGT)は、左フロントサスペンションの損傷によりコースをふさいでストップ、赤旗によってラリー中断を招いてる。

 ERC3ジュニアではルーマニアのノルベルト・マイオール(プジョー208 Rally4)がリード、タイトルが掛かっているケン・トルン(フォード・フィエスタRally4)が2番手に続いている。

 ラリー・ハンガリーは、明日土曜日の9時53分(現地時間)から行われるSS2のウイウタ〜ボズヴァで本格的なスタートを切る。