WRC2021/09/13

ミケルセン、ギリシャWRC2で今季3勝目を飾る

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 アクロポリス・ラリー・ギリシャは日曜日に最終日を迎え、トークスポーツWRTのアンドレアス・ミケルセン(シュコダ・ファビアRally2エボ)がチームメイトのマルコ・ブラチア(シュコダ・ファビアRally2エボ)を逆転してWRC2選手権で今季2勝目を飾ることになった。

 ミケルセンとブラチアは金曜日以降、終始0.8秒というわずかな差でリードしている。

 ミケルセンとブラチアは金曜日と土曜日の2日間にわたって死闘を続け、20歳の若手ブラチアがわずか0.8秒差をリードして最終レグを迎えている。

 しかし、最終日の舞台が雨によってそれまでの2日間とは異なるウェットコンディションとなり、ミケルセンはリズムに乗れないブラチアを寄せ付けない走りをみせて最初のタルザン・ステージでトップに返り咲くや、ピルゴス、そして最後のタルザンのショートバージョンのリピートステージでもチームメイトを圧倒、最終的に16.7秒差をつけて優勝を飾ることになった。

 ミケルセンはこれで開幕戦ラリー・モンテカルロ、ラリー・エストニアに続いてWRC2で3勝目を獲得、選手権のリードをキープしている。選手権の最大のライバルだったマッズ・オストベルグ(シトロエンC3 Rally2)は金曜日と土曜日の2日間ともメカニカルトラブルによりデイリタイア、最下位の8位でフィニッシュしたことから30ポイント差の選手権3位に後退することになり、選手権はかなり厳しい状況となっている。

 ミケルセンは、オストベルグが初日にリタイアしたあとは無理のない走りで着実にポイントを持ち帰ることが自身の使命だったと語った。

「非常にクレバーなドライビングで、この週末は一度も石を当てることはなかった」とミケルセンは語った。

「マルコ(・ブラチア)とてもいいラリーをしていたし、ほとんど彼は僕らの前にいて、しかもとても接近していた。僕たちはトラブルに巻き込まれないような戦術で走っていた。そのためあまり速く走れたとは思わないが、やらなければならなかった仕事を果たすことができたよ」

「もちろんマッズ(・オストベルグ)がトラブルに見舞われているのを見て、最大の敵がいなくなったと思ったよ。僕たちはトラブルを避け、スマートに行くことにしたが、マルコとの戦いがなければもっと退屈だったと思うよ」

 また、ミケルセンは新しいコドライバーのエリオット・エドモンドソンが自身と初のラリーだったにもかかわらず、素晴らしい仕事ぶりだったと敬意を表している。「エリオットは、この週末にいきなり僕のコクピットで素晴らしい仕事をしてくれた。僕らチームとしての素晴らしい結果だと思う」

 WRC2初優勝はならなかったものの、ブラチアは選手権で22ポイント差の2位に浮上したことを喜んでいる。「この週末の仕事にはとても満足しているよ。初めてのラリーだったが、いいペースで走れたし、無事にクルマを持ち帰ることができた」

 ニコライ・グリアジンは、Mスポーツのフォード・フィエスタRally2のデビュー戦だったが、トラブルなく走行して4分45秒差の3位となっている。彼は、来月開催されるラリー・フィンランドでは、フォルクスワーゲン・ポロGTI R5にマシンを戻す予定だが、そのあとの計画については検討しているところだと語っている。

 オリヴァー・ソルベルグにとってアクロポリスはふたたび忘れたい週末になってしまった。ヒュンダイi20 N Rally2のデビュー戦となったイープル・ラリー・ベルギーで彼はアクシデントで勝利を逃しており、今回もSS4ではサスペンション破損でリタイア、翌日の土曜日には岩壁にヒットしてストップしており、マシンダメージが大きく最終日のリスタートを諦めている。