WRC2021/11/19

ラリー前会見:素晴らしい車を最後まで楽しみたい

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―セバスチャン、今シーズンの初めに、今年がFIA世界ラリー選手権で過ごす最後のフルシーズンになると発表しました。つい昨日のことのように感じられます。最後のWRCタイトル争いとなるかもしれないこの週末に向けて、どのような心境ですか?

セバスチャン・オジエ:「正直なところ、これが最後だという感じはない。最近、よくそのことを聞かれるが、今週末はエルフィンとのタイトル争いがあり、まだ多くの仕事が残っている。いつも通りに準備をして、最高の状態で終わりたいと思っている。でも、これが完全に最後というわけではないのは、ちょっと変な感じがする。あなたの言ったとおり、僕は来年もここに来るかもしれない。正直なところ、自分でもそれをどう感じているのか分からない。引退を決意したのに、最後にきちんとした終わりがないのは、ちょっと不思議な感じがする。いずれにしても、それは将来の話だ。今はここにいるので、現在の話をしたい。正直なところ、(2022年に戻るという)その保証もない。今はまだ、今シーズンを良い形で終えることにエネルギーを注いでいる。プレッシャーはエルフィンよりも僕にかかっていると思う。僕の結果次第のところが大きいからね。もし僕がそれをうまく活用することができれば、余計なプレッシャーを感じることはないだろう。でももちろん、彼はラリーに勝つために全力を尽くすと思う。だから僕もやはり良い結果を出さなければならない。それが僕の感じていることだ。少なくとも、去年よりは少しはマシかな」

―今年は昨年とは天候が少し違います。山岳ステージはどうなりそうですか。そして今週末の一番のチャレンジはどこになりますか?

オジエ:「天気は良く、太陽も出ている。簡単になるセクションもあると思うが、完全なドライにはならないだろう。やはり難しい週末になると思う。しかし、この素晴らしいマシンでの最後の時間、そしてジュリアン(・イングラシア)との最後の時間を、できる限り楽しみたい。最後に多くのことを楽しみたいと思っている」

―エルフィン、昨年とは状況が逆で、今年は追う側です。今週末のタイトル争いにどう臨みますか?

エルフィン・エヴァンス:「ごく普通のラリーだ。タイトルについてあまり深く考える意味はない。ギリシャのときにも言ったが、あのときも、そして今も、タイトル獲得の望みは薄い。何も変わっていない。ただのラリーだし、セブが言ったように、これらのマシンを使った最後のラリーだ。もちろん頑張るし、楽しむが、いつものラリーだ」

―去年はスリッパリーな雪のコンディションでコースアウトしました。しかし、今回は雪の心配はありません。山岳ステージの様子はどうですか?

エヴァンス:「少なくとも、少しは安定しているようだ。でも、セブも言ったように、世界ラリー選手権では簡単なラリーはない。ステージのコンディションはいいが、木の下には非常にスリッパリーな場所もあるし、路面も湿り気も絶えず変化している。今週末は、まだ多くの挑戦が必要で、集中していなければならない」

―今シーズン、もう少し早く好調になっていればと考えることはありますか?

エヴァンス:「今シーズンのスタートはまずまずだったと思っている。決して満足できるものではないが、僕の場合、シーズン中盤がダメだった。サファリでは大きなダメージを受けたし、他のラリーでも悪い結果がいくつかあった。時にはそういうこともある。過去を振り返れば、もっとうまくやれたはずのことがたくさんあるのは当然だ。しかし、今いる場所で、自分たちがコントロールできるものから最大限のものを得ようと努力している」

―シーズン最終戦になりますが、2021年を振り返ってどうですか? 2022年に関するニュースはありますか? ガス、今週末は新しいコドライバー、ヨナス・アンダーソンが加わることになりましたね。今のところどんな感じですか、そして今回が来年に向けて連携がうまくいくかどうかを確認するテストイベントということですか?

ガス・グリーンスミス:「まず思うのは、仲のいい相棒が戻ってきて一緒にレースができるというところだ。成長できたという意味では非常に良いシーズンだった。とても満足しているよ。来年もクリス(・パターソン)と一緒に続けられたら嬉しかったけど、元々契約は1年って決まっていたし、モンツァは基本的に今後のために最適な候補者のトライアルとして考えていたからね。それがヨナスということで今のところすべてが順調に行っているよ。クルマの中も笑いが絶えないしスタートするのが本当に楽しみだよ。彼が比較的若いにも関わらず、WRCではこれまでに多くのイベントに参戦しているということには驚いたよ。ぜひとも彼に乗ってもらうのがいいと僕たちが思った重要なポイントの一つがそれだった。彼がイエスと言ってくれて良かったよ」

―モンツァはタフなラリーで、昨年は難しい天候に見舞われました。今年はもう少し安定しているようです。それで少しは楽になりそうですか?

グリーンスミス:「確実に楽になるだろう。160km/hで走行していてクレストを越えると何の前触れもなく完全な雪の状態になっている。昨年のそれはかなりの衝撃だった。今年はそんなことはほとんどないと思う。でも絶対ないとは言いきれない。山の中のことだからね。美しい日差しがあって、天気も良さそうだし、トラックも楽しめそうだ。山岳ステージは他のステージと比較しても遜色なく、さらにそれ以上にユニークなものだ。正直、僕はそれを本当に楽しんでいる。最も忙しいステージではないから、かなり正確にペースノートが使えるし、それによって最初の走行で思い切ったプッシュをすることができる。楽しみにしているよ」

―テーム、この最終戦、WRCのクルマに復帰できましたね。ヒュンダイとの関係を継続しているようですが、今回はワールドラリーカーでの参戦ですね。プレイベントテストはどうでしたか?以前に走っていたクルマと比べてどうですか?

テーム・スニネン:「僕たちがここで何ができるのか、とても楽しみにしている。クルマを何度も乗り替えながらいろいろ大変な時を過ごしてきた。新しいクルマで挑むラリーはもう5回目だ。多くのことを学んできたよ。でもこのチームとともにすべてうまくいっている。テストでも満足だったし、ここで何ができるか期待したい」

―ここではタイヤがちょっとした鍵になりそうですね。山岳に入るのは朝からで、日中もそのままそこにいることになります。最初のタイヤ選択が難しくなるのでは?

スニネン:「確かにそうだね。それにチームからも朝は湿気があるかもしれないと聞いている。これだとタイヤ選択がかなりトリッキーになる。レッキの時にどのタイヤを採用するのかについて話していたよ。いくつかの異なった選択肢があった。簡単にはいかないだろうけど、チームには優秀なウェザークルーがいて僕たちに正確な天気の情報を教えてくれるので、ちょっと助かる。僕はチームでは3台目のクルマなので、あとの2台についていくことができる。この点も助かる」

—ヒュンダイとの今後については? 来年のWRCスロットはすべて埋まってしまいましたが…

スニネン:「答えは変わらない。フルシーズンがやりたい、そして十分にテストができるようにしたい。WRC2プログラムでも喜んでやるけど、Rally1に参戦できるチャンスがあれば、いつでも受ける準備はできている」