WRC2023/01/23

ラリー後会見「13分のギヤボックス交換に感動」

(c)Toyota

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―セブ、おめでとうございます。ラリードライバーを志すきっかけとなったラリー・モンテカルロで、イベント史上最も成功したドライバーになりました。

セバスチャン・オジエ:「ありがとう!あなたの言った通り、ここは僕にドライバーになる夢を抱かせたイベント、という言葉がぴったりだと思う。少し飽きられるほどこの話をしているが、感動は同じだ。ヴァンサン(・ランデ)との2回目のラリーで彼とこの感動を分かち合うことができて、とても嬉しいよ。彼は僕に大きな自信を与えてくれるし、声をはじめとしてジュリアン(・インググラシア)と似ているところがたくさんある。彼とこの場所に居られてとても嬉しいが、しかし一方で、COVIDの影響で何人ものコドライバーが姿を消してしまった。彼らは戻って来るべきだと思う。僕たちはコドライバー無しでは何もできない。彼らはこの場所が相応しいし、彼らの功績はもっと賛辞を贈られるべきだ」

―ステージのコンディションはどうでしたか?

オジエ:「残念なことにシステロンのステージがキャンセルされたことを除けば、去年と同じだった。去年からそうだが南部を中心にラリーをやると、こうなる可能性が高い。地球温暖化もあるし、スタート地点のステージの標高が低いので必ずターマックがあり、頂上にはいくらか雪があるかもしれないという具合だ。僕がギャップ出身だから言いたくはないが、他にも場所はある。そこに戻る可能性があるかもしれないと耳にしたが、タイヤ選択の幅が広がるし、ステージは美しく、イベントはさらに面白くなると思う。ここでは美しい道のターマックラリーが展開された。初日はプッシュして差をつけることを目指し、2日目はタイヤの不運を考慮してカットによるリスクを避けて順位を固めようとした。もっと速く走れることはわかっていたけれど、リスクは冒したくなかった。今日は上手くコントロールできた。ヴァンサンと一緒に勝利できてうれしい」

―金曜日の朝、ギヤボックスをフル交換したそうですが、それについて教えてください。

オジエ:「あんなのは初めて見た。彼らの作業は見ていてとても感動した。実は、木曜日の夜にパルクフェルメに行くときにクラッチに関連する何かが変だったんだ。金曜日の朝、チームは何かがおかしいと判断したが、それが何なのかは分からなかった。出発の13分前、誰かが『よし、ギヤボックスを交換しよう』と言った。僕は『まさか13分間でやろうというのか』と思った。結果、2分余った。チームと仲間たちに、心からお礼を言わなければならない。彼らにホームでシャンパンを贈る約束をした。彼らの仕事は信じられないほど素晴らしかったよ」

―セバスチャン・ローブがSNSで祝福していました。来年は彼との再戦が見られるでしょうか。

オジエ:「そう願っている!僕が競争を好むのは周知の事実だし、彼がいると、良い競争になることが多い。僕たちがクレイジーになればなるほど、ショーはいいものになる。来年彼が来てくれればそれは素晴らしいし、僕の仲間たちも熱いラリーにしてくれるだろう」

―ヴァンサン、初優勝の気分はどうですか?

ヴァンサン・ランデ:「この結果は予想していたが、終わってみると、まだあまり実感がわかないのが正直なところだ。これはコンビを組んで2回目のラリーで、日本でも勝てたかもしれなかったが、ここで勝利した」

―最終ステージの心境はいかがでしたか?

ランデ:「フィニッシュラインまでは、それまでと変わらない感じだった。自分の仕事をしていたし、まだタイムコントロールの仕事が残っていたからね。非常に感動していたが、終わるまではそれを表に出すことはできなかった!」

―コドライバーにとって、どのくらい大変なラリーでしたか?

ランデ:「グラベルノートクルーからのノートの変更はそれほど多くなかった。さらに悪くなる可能性もあった。そのおかげで、僕にとっては遥かに楽だった。ドライなラリーでペースが高速になり、今週末は非常に大きな挑戦となった。日本よりもさらに大きな挑戦だった」

―カッレ、モンテカルロで初めての表彰台です。満足していますか?

カッレ・ロヴァンペラ:「かなりうれしい。最終的にかなり良いポイントを獲得できたので、それが一番重要なことだ。このモンテカルロは少し違っていて、かなりドライだったが、フルにプッシュを必要とした。木曜日の夜と金曜日の1回目の走行でタイムを失い、もう少しうまくやれたはずなのに、ダストと塩がひどくてコースオープナーは簡単ではなかった。その後はペースも良く、いい戦いができた」

―暗闇のステージについて、どういう点が好きではないのでしょうか?

ロヴァンペラ:「分からない。僕のドライビングスタイルには合っていない。そういうステージで快適に感じたことがない」

―スウェーデンでは出走順が一番手ですが、何か予想していますか?

ロヴァンペラ:「全く分からないが、適切なウィンターコンディションを伴う良いラリーになることを願っている。僕たちより後ろから速い選手がたくさんスタートするので、雪かきがたくさん必要になるような天候でないといいね」

―ティエリー、ラリーの総括をするとしたら?

ティエリー・ヌーヴィル:「分からない。最終的な結果(表彰台)には満足していいのかなとは思う。というのも、レースの序盤は他のドライバーたちのペースについていくこともできてなかったからね。それに、トライはしていたものの、なかなか思うように良いタイムが出せていなかった。いつも数秒遅れで、常にタイムロスしている感じだった。金曜日の午前中も分かっていた、違ったタイヤ戦略がこういうタイムにつながるということをね。土曜日の午後はもっと良い結果になることを期待していたが、それからタイヤが良くなって最速タイムも出始めていた。でも正直、それもあまり長くは続かず、今日は皆が同じようなコンディションになって、時々ちょっと無力さを感じていた。でも最終的には、ちょっとした自分たちの失敗、チームとして、ここまでドライなコンディションを予想できず、クルマの細々した部分や柔らかめのセッティングなど、もっといつもどおりのモンテカルロを想定して準備していて、結果的にうまくいかなかったということだろう」

―今朝はちょっとした場面がありましたが、ヘアピンの外側のコーナーに何もなかったのは幸いでしたね。見ている私たちにもかなり印象的でしたが、起こった瞬間、あなたは相当ハラハラだったでしょうね?

ヌーヴィル:「そうだね、本当に不思議な瞬間だった。スタートラインを過ぎて最初のブレーキングだったんだけど、少しでもパフォーマンスが上がらないかと夜の間にセットアップを変えていて。ブレーキングの直前、ほぼフラットなコーナーみたいで、すでにひどいアンダーステアの状態になっていたんだ。だから僕は『このステージはずっとこのままなのか、ダメだ、もう終ってる』って言いながらちょっと興奮気味に怒っていた。そしてヘアピンでのブレーキングを完全に忘れてしまうという、集中が足りていなかった。でも運良くなんとか無事だった。それからは最初のステージからタイヤを消耗させてしまったから、一日中ずっとケアしなければならなかったよ」

―次のラウンドに向けて、どんな気持ちですか?

ヌーヴィル:「リザルトを変えていくことはすごく難しい。つまり、常に接近した戦いで、毎回接戦になるということだ。今週末はトヨタにアドバンテージがあった。そんなに大きな差はなかったけど、彼らが引き離すためには十分な差だった。スウェーデンではどんな展開になるのか分からない。僕たちの明確な目標は、ペースを維持して、可能であれば少しでもアドバンテージがあるといい。そして、ベストを尽くす。カッレも言っていたように、ロードポジションが重要になってくるので、できれば良いコンディション、イコールコンディションで走れることができればもっと楽しくなる。でも次はもうあと数週後に控えているし、それまでにしっかりといい仕事をしないとね」

―ヤリ-マティ、チームにとってはなんというシーズンのスタートでしょうか。トヨタのワンツー、そして昨日の午後まではステーウィンもトヨタの独壇場でした。良い週末にチームとして嬉しいですね?

ヤリ-マティ・ラトバラ:「本当にいい週末になって、我々もとても嬉しい。それにこの結果は思っていたよりもいいものになった。このイベントに臨むにあたって、セバスチャンは、昨年のことで、非常にハングリーな気持ちと同時に悔しさがすごいことも分かっていたし、カッレはいい週末にしたいと思っているが、おそらく目指すのは表彰台だった思っていた。だから、最終的にワンツー、さらに6位までに4台が入って、ほとんどのステージを制して、カッレがパワーステージを獲っている。これ以上を望めないくらいだ」

―どのチームも信頼できるラリー優勝経験者を擁しているのは良いことです。とてもコンペティティブなシーズンになると思います、今とても良いスタートを切ることになりましたが、また次のラウンドでは状況が一転する可能性もあります。

ラトバラ:「そうだね、ティエリーも言っているように、基本的には常に接戦になるだろうし、それは今、選手権にとっては素晴らしいことだ。すべてのチームにタイトルを狙えるようなドライバーがいるという状況は、このスポーツにとってベストなことで、とてもエキサイティングなシーズンになることは間違いないだろう。そしてもちろん、非常に接近した大接戦が見られるのが理想ではあるが、トヨタのドライバーたちがそれを良い方向に変えていってくれることを願っているよ」