WRC2024/01/29

ラリー後会見:完璧なシーズンのスタート

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―ティエリー、ラリー・モンテカルロの優勝、おめでとうございます。素晴らしい戦いの週末となりました。いまの気持を聞かせて下さい。

ティエリー・ヌーヴィル:「さっきも言ったように、正直なところ、言葉がないくらい完璧な週末になった。チームは素晴らしい仕事をしてくれたし、マシンもタイヤも全体がとてもうまく機能していたと思う。このようにチームが整ったのは初めてのことで、これは将来に向けていい兆候だと思う。でもこのラリーで優勝できてとてもうれしいよ」

―雪のない週末でしたが、金曜日はとてもトリッキーなコンディションのスタートになりました。

ヌーヴィル:「本当に困難なスタートになってしまい、金曜の朝の最初のループで僕らは首位から24秒という遅れとなったが、そのあとは少しずつ状況を打開することができた。そして土曜日の朝の最初のステージで僕たちはわずか6秒差まで迫った。その時点から再び首位争いに加わった。スピードもあったし、コントロールも出来ていたし、ベストを尽くし、勝利を勝ち取ることが出来た」

―フランス語で簡潔に感想をお願いします。

ヌーヴィル:「今週末のパフォーマンスには非常に満足しているし、スタートからフィニッシュまで激しい戦いだった。木曜日の夕方のスタートから、土曜日のセバスチャンとのバトル、そして今朝のバトルを経て今週末の勝者になれたこと、全力を尽くせたこと、すべての決断をチームがサポートしてくれたことを、とてもうれしく思っている。今回もまた、ラリーは天候の面だけでも非常に複雑だった。霜やアイスがたくさんあり、驚かされることがたくさんあったが、僕たちはそれを何とか上手くこなし、マシンと完璧に調和していた。そのおかげで勝利することができた」

―セバスチャン、勝利はできませんでしたが、スタートからフィニッシュまで素晴らしい戦いでした。今週末の感想を聞かせてください。

セバスチャン・オジエ:「正直なところ、僕も前向きに捉えている。この結果を誇りに思うし、満足できると思う。自分にとって大変なイベントだったが、1週間を通してベストを尽くした。僕たちもスピードはあったが、ティエリーのほうが少し速かった。それが唯一言えることだ。それでもチームのために24ポイントを獲得した。それは良いことだし、それも収穫だ。だから、今日は満足している」

―モンテカルロの10勝目は、来年まで待たなければなりませんね。

オジエ:「そうだね、勝たなきゃいけないけど、正直、待つしかなくて申し訳ない。だが、僕たちはここで15回目のスタートだった。13回の表彰台で、勝利が9回と2位が4回。だから、この記録は誇れるものだと思う」

―フランス語でコメントをお願いします。

オジエ:「僕は今週末の結果には、あまりがっかりしていない。2位というのはやはりとても堅実な結果だし、チーム全体にとっても大きなポイント獲得だ。もちろん、僕たちは勝つためにここに来たし、それを隠すつもりはないが、ティエリーの今週末のパフォーマンスはずば抜けていたから、彼とマルティンに大きな拍手を送りたい。僕としては非常に堅実な結果で、チームに24ポイントも貢献できてうれしい。僕はこのラリーがいつも得意で、今週末は15回目のスタートだったが、これで表彰台は13回、9回の優勝と4回の2位という成績を残している。これからもこの成績を維持していきたい。応援どうもありがとう」

―エルフィン、3位です。木曜日の夜と、金曜日の朝はあなたに風が吹いているように見えました。素晴らしい形でのラリーのスタートとなりましたが、どうやらすり抜けていってしまった感じですね。

エルフィン・エヴァンス:「木曜日の夜はシーズンのスタートとして完璧だったし、金曜日もまだいい感じだったけど、残念ながら土曜日には期待していたような1日にはならなかった。最初のステージからちょっと遅かったし、問題を抱えていた。そして午後にはなぜかクルマのフィーリングを完全に失ってしまい、ペースはこの2人からだいぶかけ離れたものになっていた。だから、そこからは今日のために、できる限りのことを解決していくだけだった。残念だった一方、それでももっと悪い結果になっていた可能性もあったわけだし、開幕戦でしっかりとポイントを獲得できたことには満足しているよ。いい立ち位置でスタートできることは常に重要だからね」

―あなたの言うとおり、間違いなく21ポイントというのはとてもいいスコアです。昨年なら17ポイントというところですが、今日2番目に速かったということで21ポイントを獲ることができたわけで、少なくともそこは満足できますね。

エヴァンス:「新しいポイントシステムについて、支持するつもりはまだないんだけど。でも本当、それがちょっとあったからね」

―もうひとつ前向きなことがあるとすると、スウェーデンではコースオープナーとして走らなくていいということでしょうか?

エヴァンス:「そうだね。ティエリーがきっとそれを楽しんでやってくれると信じているよ(笑)」

―シリル、あなたのお話に移りたいと思います。チームにとって素晴らしい勝利でしたね。ヒョンデにとっては最高のステートとなりましたが、ティエリーのパフォーマンスについて聞かせてください。

シリル・アビテブール:「ティエリーのパフォーマンス、そしてマルテインのパフォーマンスも、これほどの仕事を成し遂げるには2人が力を合わせることが不可欠だからね、週末を通して素晴らしかったよ。2人とも非常にハードワーカーだ。とても集中力があり、経験豊富で、とてもとても賢い。WRCではどのクルーもそうだが、今回は彼らが一歩抜きん出ていたと思うし、チームもそうだったと信じたいし、ここに来るモチベーションのレベルも非常に高かった。我々は皆、単に使命感に燃えているだけではなく、今年すごくいい結果を出すチャンスがあると感じている。昨年、この同じ場所で、我々は大きく圧倒された。WRCではレギュレーションの関係でクルマを開発するのはとても難しいことは分かっているが、それでも週末の結果として求められていた、良いタイム、良いパフォーマンス、そしてチームの良い変化を得ることができた。だから本当にみんなの努力を誇りに思っているよ」

―ティエリーと同じように、「完璧」という言葉を使いますか?

アビテブール:「完璧なものは何もない。完璧と信じ始めると、そこで仕事をしなくなってしまう、それにいずれにせよ、次のラリーはまったく違うチャレンジになるということは分かっているから、立ち止まるわけにはいかないことも分かっている。そして我々が完璧でなかったことも明らかで、まず木曜日は完璧ではなかった。ティエリーはエンジンの小さな問題に言及していた。適切な検証プロセスを経ずにクルマに乗せるべきでないということを思い知らされた。金曜日も完璧ではなかった。情報レベルが十分でなかったと思う。そしてそれはまた、土曜日と日曜日に何が必要になるのかを示す良い指標となったが、エンジンの問題にしても情報レベルに関しても、その反応は良かった。そして我々はそれらを、これからの12戦に向けて何をすべきかの指標としていけばいいといことだ」

―さて、ティエリー、あなたにとってはシーズンの完璧なスタートとなりました。残りのシーズンはどうなりますか?

ヌーヴィル:「シーズンのスタートとして完璧なことは間違いない。30ポイントも獲得できたことは素晴らしい。でも過去の経験からもわかるように、スウェーデンを一番手出走でスタートすることは、決して有利なことではなく、むしろ、大きく不利になり得るんだ。厳しいイベントになるだろう。目標は、最大限のポイントを獲得することだ。アイスと雪が豊富な非常に寒いコンディションだと良いが、そうでなければ僕たちが良い結果を出すチャンスはとても小さいだろうけど、一貫性は報われるはずだ。楽しみだね」