ERC2020/10/05

ルクヤヌク、ファフェを制して今季2勝目

(c)ERC

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 2020年ヨーロッパ・ラリー選手権(ERC)第3戦ラリー・ファフェ・モンテロンゴは10月4日に最終日をむかえ、サンテロック・ジュニア・チームのアレクセイ・ルクヤヌク(シトロエンC3 R5)が終盤のスピンによってあわやの瞬間を経験しながらも僅差で逃げ切って2勝目を飾り、2018年に続く2度目のERCチャンピオンにむけてリードを広げた。

 最終日の朝は雨こそ降ってないが、ところどころ路面は一晩中降った雨で濡れたほかは概ねドライというミックス・コンディションでドライバーたちを迎える。38.3秒という大きなギャップを築いて最終日を迎えたルクヤヌクは、タイヤ戦略にもより慎重なアプローチで臨むことになった。3本のウェットと1本のドライを組み合わせるという、これ以上ない安全策ともいえるタイヤチョイスによって、彼は次第に乾き始めたステージでペースを落とすことになったが、後続のヨアン・ボナート(シトロエンC3 R5)に対して32.4秒をリードして朝の3つのステージを終えることになった。

「コーナーによってはコーナー手前のダートが見えないこともあってヒヤリとする難しい場所もあった。慎重にギャップを管理しているので、ステージは問題なかったが、タイヤチョイスとセットアップはイライラするものだった」とルクヤヌクは語っている。

 2回目のループをまえにしてふたたび小雨がコースを濡らし始めたが、ルクヤヌクはこのループの3ステージでも徹底したセーフティモードの走りを続ける。3ステージを残して彼のリードは20.7秒まで減ったものの、まだまだいくらでもペースを落とせる状況だ。

 すでに選手権を争うライバルのオリヴァー・ソルベルグ(フォルクスワーゲン・ポロGTI R5)は前日のターボ・トラブルとエキゾーストの問題で33位まで遅れ、チームMRFのクレイグ・ブリーン(ヒュンダイi20 R5)もサスペンション破損によってマシンを止めたために29位で再出走に回っているため、トップ10フィニッシュは絶望的な状況だ。さらにヒュンダイ・エスパーニャのイヴァン・アレス(ヒュンダイi20 R5)と激しく2位争いをしているフランス・チャンピオンのボナートは、今回はERCのポイントへの登録がないため、ルクヤヌクにとっては多少順位を落としてもいいから絶対完走すればいい状況となっている。

 しかし、ルクヤヌクはSS17モンテ・ステージでハンドブレーキの問題からスピン、15秒ほどを失い、最終ステージを前にして2位のボナートが3.8秒、3位のアレスも4.7秒までその差は縮まってしまった。

「僕のミスだった。ハンドブレーキをかけてターンをし始めたんだけど、最初はうまくいかなかったので、もう少し引っ張ったら突然リヤがブレイクしてしまったんだ」とルクヤヌクは説明した。

 しかし、ルクヤヌクは大雨となってところどころに水たまりができた最終ステージでは後続のライバルたちを寄せ付けないペースをみせ、首位を守りきることに成功、ボナートに4.6秒差をつけて勝利を飾り、選手権2位のソルベルグとのポイント差を41ポイントに広げている。

「あのような奇妙な問題はこれまでなかったが、そのおかげで激しい雨となった最終ステージでも最後までモチベーションと集中力を高めることができた。僕はそれまでペースをコントロールしようとしていたし、ずっとリラックスしていた。正しい方法で勝てた自身を誇りに思う」

 一方、断続的に降る雨でコンディションが予測できないなか、アレスとボナートは最終日、2位をめぐって何度も順位を入れ替える激しいバトルを演じることとなった。最終ステージで0.1秒差で決着がついた。

 ボナートは最終日の朝のオープニングSSでベストタイムを奪ってアレスを抜いて2位へと浮上したが、2回目のループではミディアムコンパウンドを選択したアレスの戦略が奏功してふたたび2位へと順位を戻すことになった。

 だが、最終ループではボナートがふたたび速さをみせて逆転、それでも0.9秒差で迎えた最終ステージで彼は姿勢を乱してガードレールに接触しながらも、アレスに0.1秒差をつけて2位でフィニッシュすることになった。

 ヒュンダイ・ジュニア・ドライバーのグレゴワール・ミュンステル(ヒュンダイi20 R5)が総合4位でフィニッシュするとともに、シュコダ・ポーランドのミコワイ・マルツィック(シュコダ・ファビアRally2エボ)に37.8秒差をつけてERC1ジュニア選手権で初優勝を飾った。ミュンステルはこの勝利と最大レグポイントを獲得したことで、ERC1ジュニア・リーダーのソルベルグとの差をわずか7ポイントに縮めている。

 ERC2選手権ではティボール・エルディJr(三菱ランサーエボリューション)が3分以上の差をつけて快勝。ERC3ジュニア選手権はジョセフ・バッサス(プジョー208 Rally4)がエンジンのパワーがでないトラブルがあったにもかかわらず初優勝を飾っており、2位でフィニッシュしたケン・トルン(フォード・フィエスタRally4)で選手権のリードをさらに広げている。