ヨアン・ロッセル(シトロエンC3 Rally2)が、ラリー・チリ・ビオ・ビオで開幕戦ラリー・モンテカルロ以来となるWRC2優勝を果たし、悲願のチャンピオンに望みをつなぐことになった。
ラリー・チリは3日間、300kmを超える過酷な戦いの末、シトロエンC3ラリー2の2人の差はわずか17.3秒に縮まった。
ロッセルは土曜日の夜、スチュワードからSS11のタイムを救済され、21.6秒をリードして最終日を迎えていた。しかし、DGスポーツ・コンペティションのチームメイトであるニコライ・グリアジン(シトロエンC3 Rally2)がじわじわと迫ることになり、さらに土曜日のSS10でジャンプスタートがあったとの判定が下り、10秒のタイムペナルティが二人の緊張をさらに高めることになった。
しかし、ロッセルは濃霧と泥によって危険なコンディションとなったステージを冷静に走りきり、最終的にグリアジンに17.3秒差をつけて勝利を飾ることになった。ロッセルはこの勝利によってWRC2ドライバーズタイトルへの望みをつなぐことになり、さらにグリアジンが2位で続いたことで、DGスポーツ・コンペティションがWRC2チームタイトルを決めることになった。
「もちろん、この勝利はチームのためのものだ!非常に厳しいラリーだったことは確かだ。チームの皆に感謝したい。週末の間ずっと勝利を競うのは決して簡単なことではない。とても接戦だった。みんな、ありがとう」
ガス・グリーンスミス(シュコダ・ファビアRS Rally2)はグリアジンを激しく追い上げていたが、最終ステージでハーフスピンを喫してしまい、惜しくも3.4秒差で3位に終わることになった。
オリヴァー・ソルベルグ(シュコダ・ファビアRS Rally2)はチリで優勝すれば2戦を残してここで初王座に輝く予定だったが、土曜日のパンクがすべてのプランを台無しにしてしまった。彼は首位から1分20秒あまりの遅れで迎えた最終日も諦めることなくプッシュを続け、最終的に優勝したロッセルから26.1秒遅れの4位でフィニッシュすることになった。
「僕たちは決して諦めない。全力を尽くして戦うし、自分たちは間違いなく勝利に値すると感じているし、それはチャンピオンシップでも同じだ」とソルベルグはステージエンドで悔しさを堪えきれずに涙を流した。「今はかなり苦い思いをしているし、感情的になっている。今年はずっとタイトルのことだけを考えてきた。勝ちたかったのに、それが難しくなってしまったからね」
ソルベルグはこれでシーズンで認められている7戦すべての参戦を終え、123ポイントで選手権をリードしてチリを終えることになったが、タイトルを獲得できるかどうかはライバルたちの成績を待たなければならない。ロッセルがセントラル・ヨーロッパで優勝すれば彼は126ポイントを獲得してソルベルグを抜くことになり、サミ・パヤリがジャパンで優勝すれば133ポイントを獲得して逆転タイトルでシーズンを終えることになる。
グリアジンはWRC2のタイトル争いからは脱落したが、WRC2チャレンジャーのタイトルの可能性は残されており、こちらも最終戦のパヤリの結果を待つことになる。