WRC2022/07/22

ロヴァンペラは新世代のドライバーの象徴?

(c)Toyota

 トヨタGAZOOレーシングWRTのテクニカル・ディレクター、トム・ファウラーは、今シーズンのカッレ・ロヴァンペラの成功が、WRCのトップドライバーへと至る道筋がまったく新しいアプローチであることにも関係していると語っている。

 ロヴァンペラは8歳の時からクルマを走らせていることは、彼が氷上でトヨタ・スターレットを自由自在に操っている動画でもよく知られている。しかし、ファウラーは現在WRCシリーズをリードする彼のペースは、ステアリングを握って13年のキャリア以上のものだと語っている。

「この数年の間にこのスポーツは大きく変わっている」とファウラーはwrc.comのインタビューのなかで語っている。「2人で出て行って、地図を使って走って競う、という時代は終わっている。カッレのこのスポーツへのアプローチを見れば分かる。彼はまるで、長い間シムレーシングをやってきた人がやるような方法をとっている」

「彼がクルマの走らせ方うまくなったというより、彼がただ違ったやり方でクルマを走らせ、そして競っているだけなのかもしれない。シムレースでコンペティションをやっている時、彼はドライビング操作をやっているだけでなく、それと同時に人と話したり、タイピングをしたり他にもさまざまなことをやっている。彼にはいろんなことができる十分な能力を備えている。また同時に、新世代のクルマが、彼にとってちょうどいいタイミングで出てきたのだと思う」

 ハイブリッドRally1カーは、電気によるブーストの回生と発生においてこれまでになかった新しい操作がドライバーに必要とされる。それがこの21歳の彼に合っているということだ。

「今のカッレの戦い方を少しだけ古風な言い方をすれば、それは彼がクルマとうまく息が合っていることだろう。このスポーツの歴史を振り返って見るとこうしたドライバーたちの例はたくさんある。そしてそういったことをカッレがヤリスとともにやっているのではないかと思う」とファウラーは付け加えている。