Raid2023/01/05

ローブ初ステージ勝利、アッティーヤが首位守る

(c)RedBull Content Pool

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 ダカール・ラリー2023は1月4日に第4ステージを迎え、トヨタGAZOOレーシングのナッサー・アル-アッティーヤ(トヨタGRハイラックスDKR T1+)がリードを18分18秒に広げた。一方、セバスチャン・ローブは悪夢のようなスタートから挽回し第4ステージを制し、総合14位までポジションを上げている。

 ダカールは水曜日、ビバークのハイルを周回する425kmのコースとなる。序盤をリードしたのは、ダカールの伝説的な王者であるステファン・ペテランセル(アウディ RS Q e-tron E2 T1-U)だった。彼は前日に大雨が降った後の砂丘地帯のオープニングの282kmをリードし、スピードとリズムに乗ったが、ステージ終盤のグラベルと岩場でローブに巻き返されることになった。

 9度の世界ラリーチャンピオンであるローブは、327km地点のウェイポイントでトップに立ち、ペテランセルにわずか13秒の差をつけてフィニッシュした。第2ステージで3回のパンクに見舞われたローブは2023年ダカールではステージ初勝利、通算17回目のステージ勝利を果たして14位まで挽回することになったが、依然として総合首位から1時間33分離されている。

「このステージでは、本当にハードにプッシュしようとした。常にフルアタックを続けたんだ」とローブは語っている。「しかし、残り20kmのところでパワーステアリングを失ったので、非常にゆっくりとしたペースでゴールしなければならなかった。コース上にマシンをとどめておくことができなかったんだ。ステアリングを切ることができなかったので、一時はスピンアウトしてしまった。ステージを終えるのはとても難しかったけど、最終的にベストタイムを出せたので、何もないよりはましだ」

 一方、首位のアル‐アッティーヤはリードを活かした堅実な走りでこの日は4番手タイムでフィニッシュ、ステージを5番手で終えた総合2位のヤジード・アル‐ラジ(トヨタ・ハイラックスT1+)に5分近く差をつけ、18分18秒までリードを拡大して首位を守りきっている。

「長いステージで、簡単ではなかった。とてもタフだったし、ラクダ草やオフピステがたくさんあった。タイヤが1本パンクして、それからプッシュしようとしたんだ。僕らにとっては良い結果だと思う。ラリーは本当に毎日変化している。でも僕らは毎日、自分たちの戦略とペースを維持しようとしている」

 2番手タイムのペテランセルは、チーム・アウディ・モータースポーツの最上位となる3位をキープ、アル-ラジに34秒差まで迫っている。

 チームメイトカルロス・サインツ(アウディ RS Q e-tron E2 T1-U)は、昨日のステージでサスペンション破損とパンクに見舞われて首位から33分遅れの総合8位に後退しが、第4ステージの猛プッシュで総合4位まで順位を戻した。

「昨日の第3ステージは、とても良いペースで走っていたが、突然、右コーナーでリヤサスペンションに違和感を覚えた。ボールジョイントが壊れてしまったんだ。なぜ壊れたのか分からない。ボールジョイントは頑丈で、これまで問題はなかったんだ」

 サインツはサスペンション破損で30分を失った後、ふたたび2本のパンクでストップしたが交換作業に問題が生じたため、チームメイトであるマティアス・エクストロームの助けを待つことになり、さらに20分の遅れが生じた。

「タイヤがパンクしてしまった。さらにジャッキに問題があって、上がらなかったんだ」とサインツは語った。「2本目のタイヤ交換作業でホイールを外したかったが、動かないネジがあって外せなかった。ホイールスパナも壊れてしまい、エクストロームが交換を手伝ってくれるのを待つしかなかった」

 サインツは残り10ステージで32分55秒の差を埋めなければならないが、彼は勝利を諦めていない「僕たちはまだここにいる。戦略は明確だ。攻めて挽回するのみだ」とサインツは語った。