勝田貴元は、ラリー・チリ・ビオビオを前にトヨタGAZOOレーシングWRTのラインナップからから外れることになった時に世界ラリー選手権を戦う仲間から受けたサポートについて明かしている。
9月のアクロポリス・ラリー・ギリシャで、ワイドにふくらんでGRヤリスRally1のホイールを失った勝田は、8月のラリーフィンランドでも同様のアクシデントに見舞われており、チリへの参戦を見送られることとなった。
参戦復帰した先月のセントラル・ヨーロッパ・ラリーで勝田は総合4位と健闘し、最終日のパワーステージを制するとともにスーパーサンデーでも最大ポイントを獲得して、トヨタのマニュファクチャラーズ・タイトル争いに貢献している。
3つのステージウィンを獲得したこの第12戦の後に勝田は、自身のキャリアの中でも最低の状況だったともいえるこの時期に、チームメイトや仲間たちがどのように彼の助けとなったのかを明かしている。
「確かに、この1ヶ月の間、本当に辛かった」と勝田は語っている。「それでもチームや周りの人たちから本当に力強いサポートがあった。これこそが僕が強くなって戻ってこられた理由の一つなんだ」
「エンジニアやチームメイト全員、カッレ(ロヴァンペラ)、セブ(オジエ)、エルフィン(エヴァンス)、みんなから電話やメッセージをもらって、本当に大きな、大きなサポートだったよ」
「チーム外からも何人かドライバーたちが連絡をくれて、みんなには本当に感謝している」
勝田は反省と準備の時間を持てたことに感謝しながらも、2025年もカレンダーに入ったチリを欠場したことが、今後に影響を及ぼす可能性があることを認識している。
「これが正しい決断だったかどうかは分からない」と考えにふけるように彼は語っている。「1つラリーを走れなかったことで今後に少し響くかもしれない。来年も同じステージを走ることになれば、少し不利になる」
「僕たちは今ここにいる、強くなって戻ってきたし、いろいろと考える時間もあった。間違った決断ではなかったけど、ただ言えるのは、それは決してたやすい時間ではなかったということだ」
勝田のホームラウンドであるフォーラムエイト・ラリー・ジャパンは、彼がシーズンを最高の形で締めくくる絶好の機会となる。勝田は2023年のこのターマック・ラリーではラリー勝利に匹敵するペースを見せて10回のステージウィンを記録しているが、初日に喫したスピンが災いし、5位に終わっている。