ラリー・イタリア・サルディニアのWRC2カテゴリーは、首位で最終日を迎えたトヨタGAZOOレーシング・チャレンジプログラムの勝田貴元(フォード・フィエスタR5)が火災のためにまさかのリタイアとなり、ラリー・チリに続く今季2勝目はならなかった。
勝田は、土曜日最終ステージでパンクに見舞われたピエール・ルイ・ルベー(シュコダ・ファビアR5)を捕らえて首位に立ち、18.6秒という大きなマージンを得て最終日をスタートすることになった。だが、勝田はオープニングSSとなったSS16カーラ・フルミーニでペースが上がらず16秒を失い、かろうじて首位をキープすることになったが、直後のリグループでエンジンルームから出火。エンジンオイルがフィエスタR5のエキゾーストの上に漏れたことが原因であり、幸いにも炎は消しとめられたが、勝田の勝利への期待は無惨に打ち砕かれることになってしまった。
「エンジンルームから出火しました。30分前までWRC2をリードしていたのに、今は道端で停車・・・。 信じられない。言葉がありません。応援してくださっていた方、すみません」と勝田はSNSで無念の気持ちをコメントしている。
勝田のストップでルベーがトップに浮上したが、彼もまた最終日はデファレンシャルに問題を抱えており、ERCチャンピオンのカイエタン・カイエタノヴィッチ(シュコダ・ファビアR5)の追撃から辛くも逃げ切って劇的な勝利を飾っている。
3位にはシモーネ・テンペスティーニ(ヒュンダイi20 R5)、4位にはマルキート・ブラチア(シュコダ・ファビアR5)が入り、木曜日の夜にサスペンションを壊してリタイアとなったオーレ・クリスチャン・ヴェイビー(フォルクスワーゲン・ポロGTI R5)が5位でフィニッシュしている。
また、前日に岩に激突してリタイアとなったニコライ・グリアジン(シュコダ・ファビアR5)はドライブシャフトがエンジンブロックに大きな穴を開けていることが発覚、リスタートを断念している。
WRC2プロ・カテゴリーではカッレ・ロヴァンペラ(シュコダ・ファビアR5エボ)がチームメイトのヤン・コペツキ(シュコダ・ファビアR5エボ)を24.6秒リードして3連勝を達成した。シュコダ・モータースポーツは前戦のラリー・デ・ポルトガルに続いて2連続して1-2勝利を飾ることになった。
マッズ・オストベルグ(シトロエンC3 R5)が初日の朝にトラックコントロールアームの破損によって11分を失ってしまったため、サルディニアの勝負はシュコダの二人に絞られることになった。
ロヴァンペラは26秒をリードして迎えた最終日は熱くダスティなステージで慎重な走りを続けて最終的にコペツキに24.6秒差をつけて優勝を飾っている。
選手権2位につけているオストベルグは、サスペンションに問題を抱えたループ以外、残りすべてとなる16ステージに勝利して最終的にロヴァンペラとの差を8分56秒まで縮めて3位でフィニッシュしたが、選手権ではロヴァンペラに13ポイント差にリードを広げられてしまっている。