WRC2016/07/29

因縁対決再び! ミケルセンとタナク同タイム発進

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 世界ラリー選手権(WRC)第8戦ラリー・フィンランドは、木曜日の夜に行われたハルユの市街地ステージで開幕、前戦で優勝を争ったオット・タナク(フォード・フィエスタRS WRC)とアンドレアス・ミケルセン(VWポロR WRC)の因縁の二人が1分45.9秒の同タイムで首位を分け合うスタートとなっている。

 2014年に16年ぶりに復活したハルユは、ホストタウンがおかれるユヴァスキラ市内の公園通りと大通りをつないだ2.31kmの短いステージだが、グラベルと石畳、さらにはメンストリートのターマックが組み合わさっていることから、多くのドライバーたちがトリッキーな路面変化に手こずることになった。

 なかでもミケルセンは左コーナーでワイドにふくらみほとんどコースオフ、いきなりヒヤリとさせるスタートとなったものの素晴らしい速さをみせてベストタイム、その後方から走ったタナクもまったく同タイムでミケルセンに並ぶことになり、パンクのために初勝利を失ったラリー・ポーランドの続きをここで決着させるべく、彼は「ここでは完璧な週末にしたいね。ポーランドではやり方が足りなかったが、ここではもっとハードに挑戦するよ」と明日からの3日間の戦いにむけて意気込みをみせている。

 二人から0.1秒遅れの3位には選手権リーダーのセバスチャン・オジエ(VWポロR WRC)がつけている。彼は勝利のためにいい戦いができることを期待していると語りながらも、天気予報では明日も晴れになると伝えていることから、自身にとって困難な一日になることを覚悟しているようだった。

 初日4位は1.2秒差でティエリー・ヌーヴィル(ヒュンダイi20 WRC)、前戦ポーランドでは高速ステージにペースノートが合わない問題を抱えた彼だが、フィンランドではレッキにより集中したと語っている。

 1.9秒差の5位はラリー・デ・ポルトガルでの優勝以来、2カ月ぶりの登場となるクリス・ミーク(シトロエンDS3 WRC)。VWのヨースト・カピトが、今回もスタートポジションに恵まれているミーク以外に誰も勝てないと予告したことについて聞かれ、「VWはこの3年間ほとんどのラリーで勝ってきたのに、何言ってのかな、彼は?」と一笑に付していた。

 3年連続4度目の勝利を狙うヤリ-マティ・ラトバラ(VWポロR WRC)はペースをつかめず「よくないスタートだった」と首をひねりながら6番手タイム。クレイグ・ブリーンは、プレテストで本番車のシトロエンDS3 WRCをクラッシュさせながらもどうにかメカニックたちの修理によって無事スタート、7番手につけている。

 また、プレテストで背骨を負傷したダニエル・ソルドに代わって初めて5ドアのヒュンダイi20 WRCを駆ったケヴィン・アッブリングが8番手、1コーナーでワイドになったチームメイトのヘイデン・パッドンを0.1秒差で抑えたスタートを切っている。

 いっぽうWRC2は17台が出場する大混戦が予想されており、シュコダ・モータースポーツのエサペッカ・ラッピ(シュコダ・ファビアR5)がリード、ターボのポップオフバルブの不具合に悩むエルフィン・エヴァンス(フォード・フィエスタR5)が0.1秒差で続く展開となっている。

 また、トミ・マキネン・レーシングから出場する勝田貴元(フォード・フィエスタR5)は6.2秒遅れの13番手タイム、新井大輝(フォード・フィエスタR5)も勝田から0.1秒差の14番手タイムでスタートしている。

 明日の金曜日は11SS/146.85kmというラリー最長の一日となり、13.84kmのメッキペラのステージで現地時間7時13分(日本時間13時13分)からスタートする予定となっている。