WRC2018/06/15

腰負傷のパッドン、さらなるクラッシュを恐れる

(c)Hyundai

 ヒュンダイ・モータースポーツのヘイデン・パッドンは、ラリー・イタリア・サルディニアでふたたびアクシデントを引き起こしてしまった場合には、彼のキャリアに致命的な影響が出ることを恐れたために完全にリスクを負って走ることができなかったと語った。

 パッドンは前戦ポルトガルで腰の負傷を悪化させる15Gというクラッシュに見舞われたあとも、サルディニアへの出場についてはまったく問題がないと公言してきた。しかし、彼は4日間にわたるタフなイベントを走れるかどうかという不安とともに、さらなるアクシデントによって選手生命に重大な問題が生じることを懸念していたと認めた。

「イベント前にリハビリをたくさんやらなければならなかった。またアクシデントを起こしてさらなる衝撃を受けたら、将来への重大な影響があるかもしれないという不安があったし、もうミスは二度と許されないという気持ちがあった」とパッドンは語った。

「難しいラリーになることはわかっていた。金曜日はとてもタフだったし、すっかり疲れてしまった。ポルトガルのあと2週間は安静にしていなければならなかったので、このラリーを走れるかどうかはぎりぎりだったからね。だから、ここに来て、クリーンに走りきることができて本当によかったよ」

 今季、ヒュンダイから限定的な参戦プログラムとなっているパッドンは、結果を出さなければならないという現実とリスクを負うことへの恐れのなかでサルディニアを4位でフィニッシュできたことは、完全復活にむけた重要なステップだったと感じている。

「僕らは金曜日、雨によって不安定なコンディションのなかでまったくいいパフォーマンスができなかった。タイヤチョイスもうまくいかなかったし、トライしたことがことごとくダメだった。完全なペースを掴んでプッシュする自信はなかったし、魔法の杖をふってもどうにもならなかった」とパッドンは語った。

「ステージが乾き始めた土曜日、僕らは早い走行順のスタートで路面の掃除をしなければならなかったが、それでもやっとシェイクダウンのときのポジティブなフィーリングが戻ってきた。マッズ(・オストベルグ)とすごい接戦になったが、彼にプレッシャーをかけて逆転して、最後まで4位のポジションを守ることができた」

「ポルトガルのあと数日間はサルディニアに行けることを疑っていたけれど、今後にむけてポジティブなゴールになったし、チームの選手権のために貢献できたことも本当によかった。リスクを負って攻めたラリーではないが、この一戦は自信になったし、ここからシーズンを立て直して、さらに上を目指していきたい」

 パッドンは6月23日にニュージーランド選手権のラリー・サウス・カンタベリーにヒュンダイi20 AP4+で挑んだあと、ラリー・フィンランドのための準備として7月13〜15日に行われるラリー・エストニアの高速グラベルにヒュンダイi20クーペWRCで参戦することになっている。