WRC2024/01/22

若手2人で挑む新生Mスポーツ、完走を最大の目標に

(c)M-Sport

 アドリアン・フールモーとグレゴワール・ミュンスターという新しいラインナップで新シーズンに臨むMスポーツ・フォード・ワールドラリーチームは、2024年の世界ラリー選手権の開幕戦となるラリー・モンテカルロでは2台のフォード・プーマRally1が過酷なコンディションのなかで一貫したペースをみせて美しいモナコのフィニッシュに戻ることを目標に掲げている。

 今年で92回目を迎える伝統の一戦ラリー・モンテカルロは、WRCカレンダーの中でも最も複雑な路面をもつラリーのひとつである。モンテカルロのカジノ広場という象徴的な舞台でスタートしたラリーは、土曜日の夜までフレンチアルプスの麓ともいえるギャップにベースを置き、雪や氷のある美しくも危険が待ち受ける峠道を舞台に争われる。

 フールモーは2年前にプーマRally1でモンテカルロに出場したことがあるか、ブラックアイスでマシンをスライドさせて谷底へと転落しており、ミュンスターにとってはRally1カーでの初めてのモンテカルロとなる。2人ははともに先週2日間ずつ南フランスでプレイベントのテストを行っており、ウェットコンディションのターマック、あるいは雪と氷のトリッキーなコースを十分に時間をかけて学び、モンテカルロへの挑戦に自信を深めている。

 Mスポーツ・フォードのチーム代表を務めるリチャード・ミルナーは、シーズンを通してパフォーマンスを発揮するためにも、この一戦を最後まで走り切ることが目標になると認めており、2人のドライバーは週末を通じて慎重にスピードを上げながら、難しいコンディションに集中しなければならないと語った。

「2023年シーズンを日本で終えたのが昨日のことのようだ! いつものようにタイトなシーズンオフだったが、チームのハードワークと献身的な努力のおかげで、モンテカルロへの挑戦の準備はできている」とミルナーは語った。

「モンテカルロは、シーズン開幕戦としては非常にタフな一戦として知られているが、アドリアンとグレゴワールの2人ともこの先に待ち受けている戦いに備えていると感じている。彼らにとって重要なのは、このラリーのフィニッシュという大きな目標に集中することだ。長いシーズンの最初であり、一貫性がカギとなる。そして新しいポイントシステムによって、週末を通してポイントを獲得することができる」

「昨年よりもプレッシャーは少ないが、それでも最高レベルのパフォーマンスを発揮することを強く目指している」

 ラリー・モンテカルロでは、先日のオートスポーツ・インターナショナル・ショーで発表された2024年に向けたプーマRally1の新しいカラーリングもお披露目される。稲妻のようなアグレッシブなスタイルのデザインを残しながらも、1980年代のフォードの伝統的なカラーリングを採用しており、ホワイトを基調としたボディにブルーの斬新なストライプが施されている。