WRC2023/03/21

豊田TGR WRT会長、苦手意識を払拭してくれた

(c)Toyota

 先週末に行われた世界ラリー選手権第3戦のラリー・メキシコでトヨタGAZOOレーシングWRT(TGR WRT)のセバスチャン・オジエが優勝を飾った。

 オジエにとって7回目のメキシコ勝利であり、トヨタでは2020年に続いて2大会連続での勝利を果たしたことになる。トヨタはかつて高温高地のメキシコでさんざん苦しめられており、新しいハイブリッドRally1カーで走るのは今回初めてということもあってTGR WRTの豊田章男会長は、エンジンの冷却にも不安があったと明かしたが、オジエと冷却系技術を担当するデンソーがそんな苦手意識を完全に吹き飛ばしてくれたと勝利の喜びを語っている。
(以下、TGR WRTの豊田章男会長のメッセージ全文)

「メキシコのラリーは『特に難しい』という想いが我々のチームにはずっと染み付いています。セブが3年前に優勝してくれましたが、それでも高温高地のメキシコを走る前はエンジントラブルの不安を拭いきれません。しかし今回、3年ぶりのメキシコでセブとデンソーが、そんな苦手意識を払拭してくれました。セブ、メキシコ2連覇おめでとう!ヴァンサンはメキシコ初優勝おめでとう!」

「ヤリス参戦初年度、我々が熱対策に苦しむ姿を見て力を貸してくれたのがデンソーのラジエーター部隊でした。以来、冷却性能の改善を重ね続けてくれています。今回、GR YARIS Rally1 HYBRIDでの初メキシコでしたが、ドライバーたちはエンジンに不安を抱えることなく走ることができたと思います。デンソーの皆さんの『冷却魂』のおかげです。ありがとうございました」

「エルフィンは今季初のポディウムおめでとう! 最後に順位がひとつ落ちてしまったけど『もう一つのピース』が見つかりそうな走りだったと思います。エルフィンにとっての『もっといいクルマづくり』をチームみんなで続けていきましょう!」

「カッレは『ディフェンディングチャンピオンの試練』のようなラリーが続いています。焦らず、これからもラリーを楽しんでいってください」

「貴元も、とにかく焦らず『自分の走り』をしていけば大丈夫! 新城でも見せてくれたようなリラックスした表情を頼みます」

「最後に、トヨタメキシコのみんなへ。メキシコらしい差し入れをありがとう! ヤリ-マティをはじめ、レスラーのような覆面姿のみんなの姿をSNSで見ました。あの差し入れでチームがリラックスできたことも勝因のひとつだったかもしれません。おかげで我々の『メキシコへの苦手意識』は完全に払拭されました!」