APRC2015/09/20

豪雨のAPRC北海道、ティデマンド初日を独走

(c)Skoda

 アジア-パシフィック・ラリー選手権(APRC)第5戦ラリー北海道は、雨の降る難しいコンディションとなるなかチームMRFシュコダのポントゥス・ティデマンド(シュコダ・ファビアS2000)がレグ1を終えて後続に5分近い大差をつけてリードすることになった。

 ラリー北海道は金曜日夜にサツナイリバーのスーパーSSで開幕、ティデマンドはチームメイトのガウラブ・ギルに対して0.8秒をリードしてトップで発進。土曜日から本格的にはじまるステージでは、チャンピオンシップを争う二人のさらに激しいバトルになると見られていたが、朝からかなり強い雨が降り、難しくなったコンディションのステージで波乱が発生する。ギルはオープニングステージとなる4.63kmのリクベツ・ロングでドライブシャフトを破損、2分近くを失ってステージをフィニッシュしたものの、ここでリタイアとなってしまった。

 ライバルを失ったティデマンドだが、さらに雨が強く降ってステージに多くの水たまりができるほどのトリッキーなコンディションとなったものの、終始安定しペースを守り切り、この日行われた10SSのうち9ステージでトップタイムを奪い、2位のマイケル・ヤング(スバル・インプレッサWRX STI)に対して4分48.5秒という大差をつけて初日を終えることになった。

「北海道の長い一日を無事に走り終えてほっとしているよ。激しい雨のなかでのチャレンジとなったにもかかわらず、僕らによってはいい一日となった」とティデマンドは語った。

「それでも僕らはステージのドライブを楽しむことができたので、土曜日の10SSのうち9ステージでベストタイムを出すことができた。多くのドライバーがリタイアしたのはとても残念だが、5分近いリードを築くことができた。バトルがまったくなくなったのは残念だが、まだラリーが終わったわけではない。明日も長いが、最後まで走りきる必要がある。プッシュをする必要はないが、集中力を維持することが大きな仕事になるよ!」

 首位からは8分あまりも遅れたものの増村淳(三菱ランサーエボリューションX)がポディウム圏内につけ、4位には高山 仁(スバル・インプレッサWRX STI)、5位には高橋冬彦(スバル・インプレッサWRX STI)が続いている。

 また、万宇ラリーチームの東南汽車・三菱ランサーエボリューションEXで出場したパトリック・サンデルは、SS1のタイムコントロールに1分の遅着により10秒のペナルティを科せられてスタートしたもののSS3を終えて3番手まで順位を戻すもSS5パウセカムイでサスペンションを壊してリタイアとなってしまった。また、サンデルのチームメイトである樊凡(東南汽車三菱ランサーエボリューションEX)もSS9クンネイワでマシンを壊してリタイアとなっている。

 日曜日の最終日は雨が上がり曇りになるとの天気予報が出されているものの、タフな9SS/84.26kmが残されている。ティデマンドがこのままのポジションをキープして優勝を飾れば、最終戦を待たずに今季のAPRCチャンピオンが決まることになる。