WRC2018/08/19

2位争いのソルドとラトバラに不運のドラマ

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 ラリー・ドイッチュランドの最終日は波乱の朝となった。オープニングSSのグラーフシャフトで激しい2位争いが予想されていたダニエル・ソルドとヤリ-マティ・ラトバラが相次いでトラブルに見舞われることになった。

 ラトバラに0.8秒差をつけて2位で最終日を迎えたソルドは、ブドウ畑にコースオフ、フロントガラスと右フロントを壊して1分30秒をロスしてしまった。彼は7位に順位を落としてステージをフィニッシュしたが、冷却系からも水が漏れ出しており、彼は応急修理を行っている。

 また、ラトバラもスタート直後からパドルシフトに問題を抱えてペースが上がらず、マニュアルシフトで走行してきたが、ついにギヤが入らなくなってしまったためマシンを止めることになった。

 トヨタGAZOOレーシングWRTのスポーティングディレクターを務めるカイ・リンドストロームはラトバラのトラブルについてWRC Allライブのインタビューに答えて次のようにコメントしている。

「技術的なトラブルがあって、結局ステージを続けることができなかった。トランスミッションに関連した何かのようだが、今の時点ではそれ以上は分からない。彼もロードセクションでクルマが100パーセントの状態でないと感じていて、そのあたりを調べていたらしいのだが、残念ながら問題は発生してしまった。彼らは十分に訓練されており、クルマのどこをチェックするべきかも心得ている、すべてチェックしたが、残念ながらこのステージはこういう結果になってしまった。彼らはこれ以上続行できない、ということだ」

 また、ヒュンダイ・モータースポーツのミシェル・ナンダンはソルドのドラマについて次のようにコメントしている。

「彼の話ではぶどう畑でオフしてフロントがダメージを負っているようだ。彼にとって最も厳しいのはフロントガラスだ。2つのステージの間のリグループでは原則クルマに手を加えることが認められていないため、彼はこのままの状態で続行するしかない。また、彼からは僅かな水漏れがあるとの報告もあったようだが、それがどれほど大事になるのかは分からない」

 ラリーリーダーのオイット・タナクは慎重なペースで首位をキープしたが、上位陣の連続してドラマが起きたことで2位以降の顔ぶれは大きく変わることになり、43.9秒差の2位にティエリー・ヌーヴィル、3位にエサペッカ・ラッピ、4位にセバスチャン・オジエが浮上することになった。

 また、9位につけていたマッズ・オストベルグ(シトロエンC3 WRC)も波乱が続出したオープニングSSの犠牲者の一人となった。高速コーナーでリヤをスライドさせた彼はコースオフ、サスペンションを壊してマシンを止めることになった。