トヨタGAZOOレーシングWRTのエルフィン・エヴァンスは、ティエリー・ヌーヴィルの激しいプッシュに追い詰められつつあるようにも見えるが、ラリー・メキシコの最終日も2位をキープし続けることができると確信している。
エヴァンスはヌーヴィルを9.7秒リードして金曜日を終えることになったが、そのポジションをめぐるバトルは土曜日になってさらにホットなものとなった。最初のSS11こそエヴァンスはステージでヌーヴィルを上回ったが、そのあとはじりじりと防戦を強いられた。勢いに優るヌーヴィルは、2つの20kmオーバーのロングステージのSS12では0.7秒、SS13では0.5秒を縮め、午後のループもSS14のキャンセルのあとSS15では0.2秒を削りとり、最後のロングステージとなったSS16では一気にエヴァンスに5.9秒差へと迫ってきた。
残り2つのショートステージで2人の差は4.3秒へとさらに縮まることになったが、エヴァンスは限界までプッシュすることより、整然と走ることを心がけていたと説明した。
「クルマのフィーリングはとてもいいし、すべてにおいて快適だった」とエヴァンスは一日をふりかえった。
「でも、ほとんどのステージでコンマ何秒か足りないようだ。明日に向けて細かいところを改善していけるといいなと思ってる。ここまではとてもクリーンなドライビングができている。それが僕のメキシコ・スタイルだが、もちろん、最後まで彼の前に立ち続けたい」
一方のヌーヴィルは最終ステージを終えて限界までプッシュしたことを認めたが、SS18でのパンクさえなければこの差はもっと詰まっていただろうと語り、勢いが自分の方にあると主張した。
「今日はずっとハードにプッシュしてきたし、彼とはいい戦いだった。最終ステージの1つ前のステージでパンクしてしまい、2秒くらいロスしてしまった。特にコンマ1秒を争うような細かいタイムでは、ちょっと悔しいね」とヌーヴィルは語った。
「ツイスティで狭いところでは僕らはかなり速いが、スピードが上がると、ちょっとトヨタに負けてしまうんだ。だから、明日に向けて何かを見つけ、そして明日もできる限りハードにプッシュしていくよ。でも、どちらかが有利になるか最後までわからない、とてもタイトな展開になるだろうね」