Raid2021/12/05

BRX、ダカール前哨戦を欠場してUAEテストに集中

(c)Bahrain Raid Xtreme

(c)Bahrain Raid Xtreme

 プロドライブが走らせるバーレーン・レイド・エクストリーム(BRX)チームは、ダカール・ラリーの前哨戦として来週行われるバハ・へイル・インターナショナル・ラリーをスキップし、アラブ首長国連邦で3台体制のチームによる集中的なテストをこなして2022年ダカールの準備を行う。

 2021年にダカールに初めて参戦したBRXチームは、2022年1月1日から2週間にわたってサウジアラビアで行われるマラソンイベントに3台体勢で臨む。昨年もチームとともにダカールに挑んだセバスチャン・ローブとナニ・ローマに加え、7月にスペインのバハ・アラゴンでこのチームでデビューしているオーランド・テラノーヴァが加わることになる。3人とも最新仕様のプロドライブ・ハンターT1+で参戦する。

 チームは、11月初旬に行われたアブダビ・デザート・チャレンジに参戦してダカールの準備として挑む計画だったが、スタート1週間前にドバイでテストを行っていた際、燃料補給時に大きな火災が発生、チームメンバーが負傷したため、このイベントへの参戦をすべて中止せざるを得なくなった。

 さらにダカールの最後の準備の機会となる12月6日〜11日に行われるへイル・インターナショナル・ラリーについても、ダカールと同じ方式のナビゲーションで行われないため、プロドライブはダカールに向けて、ナビゲーターたちの感覚を磨いていくためにナビゲーション技術に多くの複雑な要素を含むUAEでロングランのテストを行うことを予定している。

 ローブとローマはすでにウェールズのテストコースとドバイで2022年仕様のハンターT1+での走行を体験しているが、テラノーヴァにとっては今回が新型のマシンに乗る初めての機会となる。

 ハンターT1+はサスペンショントラベルが(280mmから350mm)拡大されホイールとタイヤがより大きくなものとなり、ボディの最大幅が200cmから230cmに広がることでよりワイドなトレッドを実現している。

 ローブにとってはファビアン・ルルカンを新しいナビゲーターとしてとして初めてのダカールとなる。

「新しいクルマにはとてもいい感触を得ている。ダカールで想定されるさまざまなコンディションでのテストを行ってきた。より大きなタイヤを新たに装着したことで、ラフな岩場のセクションでもパンクのリスクを抑えて、スピードを維持することができた」とローブは語っている。

「ファビアン(・ルルカン)と僕はこのあと数日間のテストを行い、サウジではまた非常に重要となるナビゲーションに相当な時間をかけて集中的に取り組んでいくことになる」

 ローマは新仕様のクルマが諸刃の剣であることを認めている。

「僕はウェールズとドバイで新しいT1+で2000km近く走行してきた」とローブは語っている。

「タイヤが大きくなったことでクルマは以前のT1では難しかったような地形にも対応して走行することが可能になった。しかし今度は同じエンジンのまま、大きく重くなっているので、一部のエリアでは速くなっても、その他では遅くなる可能性もあるだろう」

 また、プロドライブはダカールでは専用に開発された第2世代のバイオ燃料でハンターT1+を走行させるが、これによって温室効果ガスの排出量をガソリンと比較して80%削減することが可能となると発表している。