ERC2023/07/30

ERCローマ、地元クルニョーラがレグ1をリード

(c)RedBull Content Pool

(c)RedBull Content Pool

(c)RedBull Content Pool

 ヨーロッパ・ラリー選手権(ERC)第6戦のラリー・ディ・ローマ・カピターレは、イタリア・チャンピオンのアンドレア・クルニョーラ(シトロエンC3 Rally2)が金曜日とともに土曜日もすべてのステージを制して20.2秒のリードを築いている。

 金曜日の夜、ローマ市街地で行われたスーパーSSコロッセオ・ステージを制してトップに立ったクルニョーラは、土曜日もオープニングステージから速さを見せることになった。

 日差しが強く、朝から30度を超える猛暑となったこの日はマシンだけでなくタイヤのマネージメントの戦いになった。クルニョーラは朝から3連続のベストタイムを刻み、フランス・チャンピオンのヨアン・ボナート(シトロエンC3 Rally2)に10.9秒差を築いて、ローマの南東に位置するフィウッジのサービスへと戻ってきた。

 クルニョーラは、SS5で路面にあった岩を避けられずにヒットしてひやりとし瞬間はあったが、午後のループでも3連続でベストタイムを奪い、この日の終盤でボナートを抜いた、2度のヨーロッパ・チャンピオンに輝いたことがあるジャンドメニコ・バッソ(シュコダ・ファビアRally2エボ)に20.2秒のリードを築いてレグ1をトップでフィニッシュすることになった。

「簡単ではなかったので、満足している」とクルニョーラは語った。「誰もがそうであるように、僕たちもいくつかのサプライズはあったけど、以前にもこのポジションで2度リードしたことがあるし、何が起こったかは誰もが知っている。みんなプッシュしてきたし、もちろん僕もプッシュしてきたけど、もう1度だけ、イタリア選手権のことも考えて集中し続けなければならない」

 ボナートは好ペースを刻んでバッソを押さえていたが、SS5で右リヤタイヤをパンクしたためスペアを失い、慎重なペースに落とさざるを得なかった。そのためバッソがSS6で逆転、3.5秒差をつけて2位でこの日を終えている。「このクルマで戦うのは2回目なので、すべてが新しい。今日はいい仕事ができたと思う。明日は難しいだろうけど、プッシュし続けるよ」とバッソは語っている。

 BRCレーシングから参戦するERC選手権リーダーのヘイデン・パッドン(ヒョンデi20 N Rally2)は、4位で迎えたSS6の高速左コーナーではらんで右リヤサスペンションを破損、コドライバーのジョン・ケナードは最終ステージを前に応急修理を余儀なくされたが、どうにか6位でフィニッシュしている。

「トーコントロールアームの調整がうまくいかなくて、おかしなドライブになった。ダメージを抑えようとしたけど、今はポイントを最大化したいんだ」とパッドンは語っている。

 パッドンの後退でアンドレア・マベリーニ(シュコダ・ファビアRally2エボ)が4位へと浮上したものの、彼は最終ステージでタイヤをオーバーヒートさせてバリアに接触して7位へと後退、フィリップ・マレシュ(シュコダ・ファビアRally2エボ)が4位、シモーネ・カンペデッリ(シュコダ・ファビアRally2エボ)がSS2でバリアに接触し、SS3で高速スピンを喫しながらも5位で続いている。

 一方、パッドンの選手権におけるライバル、マーティンシュ・セスクス(シュコダ・ファビアRS Rally2)は、SS4のスタートから1.7km地点の左コーナーでアンダーステアに見舞われてバンクに乗り上げて横転、リタイアになっている。

 過去に2度ラリー・ディ・ローマを制したことがあるERCチャンピオンのアレクセイ・ルクヤヌクは、ウクライナの国旗をイメージしたカラーリングのシュコダ・ファビアRS Rally2で2年ぶりに復帰、オープニングSSでクルニョーラから0.3秒遅れの2番手タイムにつけていたが、地元勢のペースから少しずつ遅れ、5位で迎えたSS5でパンク、レグ1は33位となっている。

 ERC3ではすでにチャンピオンに確定しているジョン・アームストロング(フォード・フィエスタRally3)が、11度イタリア・チャンピオンに輝いている地元のヒーローであるパオロ・アンドレウッチ(ルノー・クリオRally3)に2分の差をつけてリードしている。

 ERCジュニアでは地元のロベルト・ダプラ(プジョー208 Rally4)が終日トップをキープ、ノルベルト・マイオール(プジョー208 Rally4)に17.6秒差をつけて日曜日を迎える。