WRC2022/01/13

Mスポーツ、今週のテスト再開に向けて作業中

(c)wrc.com/ Jose Arellano

 Mスポーツ・フォード・ワールドラリーチームのラリー・モンテカルロに向けた準備は、水曜日の朝に発生したクレイグ・ブリーンのクラッシュによって足踏みをすることになったが、チーム代表のリチャード・ミルナーは今週中にふたたびテストを再開するためにチームは全力を尽くすとしている。

 Mスポーツは火曜日からモンテカルロに向けた最終テストを開始、アドリアン・フールモーに続いて、水曜の早朝からブリーンがプーマRally1のステアリングを引き継いでいる。しかし、ブリーンはギャップに近い道路で橋に接触、反動で土手にヒットしたあとスピンしたまま道路を横切ってコースオフ、崖を15メートルほど滑り落ちてしまった。

 ブリーンとコドライバーのポール・ネーグルにはケガはないが、マシンは谷底に裏返しになって止まった状態だ。ミルナーは、ウインチ付きの大型クレーンを使ってマシンを回収したあとダメージを調べ、テストをできるだけ早く再開させたいと説明している。

「もちろん、テストの継続についてはマシンを取り戻した後のコンディション次第になる」とミレナーは語った。

「いまはまだ崖を転がり落ちてしまったマシンを道路に戻すために懸命に作業しているところだが、サービスに戻ってからダメージを検査する。現地ではマシンを修理して再びテストすることを検討しているようだ。でも、今日はもう走らないというのが妥当なところだろう」

 ミルナーは、きわめて低いスピードで発生した接触が大きなアクシデントとなってしまったと語った。

「最初の衝撃は低速コーナーで起こったのだ。小さなミスにしか見えないのに、クレイグは大きな代償を払ってしまった。壁にぶつかり、ホイールを破損してしまったが、別の日なら直してすぐに復帰できただろう。しかし、路面と土手の傾斜が急で、いったん転がり始めると底まで落ちてしまった」

「このクルマにはカーボンファイバーがふんだんに使われているから、見た目は悪いかもしれないが、まっすぐ走る限りは続けられる。まだガス(・グリーンスミス)とセバスチャン(・ローブ)のテスト走行が残っているし、彼らにも走行のチャンスをあげたいんだ」

 ミルナーは、クラッシュの直後、ブリーンと話をしたことを認めた。

「貴重なテストを途中で終えることになり、彼はがっかりしているし、悔しがっている」とミルナー。「ポジティブな面では、クレイグはこれまでマシンのテストに十分な時間を割いており、ラリーでの彼のポテンシャルに影響を与えるとは思えない」

「クレイグが言ったように、テストでのクラッシュは13年ぶりだ。こういうこともある。大変なことだが、このようなことは頭から追い出して、やり遂げなければならない。彼はそうするだろう。このようなリスクは常にあるものだ」

 いまのところ、グリーンスミスが木曜日にテストを行う予定だったが、彼の走行日は金曜日に延期される可能性がある。ローブはダカールから戻ったあと日曜日にテストを行い、月曜日の朝からはモンテカルロのレッキが行われることになっている。