WRC2020/03/17

Mスポーツ、新しいフィエスタRally4を発表

(c)M-Sport

 Mスポーツは、フィエスタR2のアップデートバージョンとなるフィエスタRally4を発表した。

 FIAのラリーピラミッド構造の変革にともない、これまでのグループR2は2020年から新たにグループRally4と車両規定の名称が変更されたため、現在、フィエスタR2として表記されているマシンは、すでに規定上ではすべてフィエスタRally4と位置づけられている。しかし、新しいRallly4規定ではボンネットに冷却用の開口部が許されるほか、エンジンは上限210馬力まで認められるなどの車両規定についても変更が行われていることから、Mスポーツ・ポーランドはこれらにあわせてアップデート仕様のフィエスタRally4を発表した。

 Rally4は、新しいラリーピラミッドにおいてもっとも低いエントリーレベルのRally5マシン(昨年までのR1)の1つ上の階層に、2輪駆動の最上位マシンとして位置づけられており、2021年から登場する新しい低コストの4輪駆動のRally3の1つ下の階層に位置する。

 フィエスタRally4は、FIAジュニアWRCのバックボーンを形成するなど、若いドライバーがより上位の階層へステップアップするためのマシンとなり、Mスポーツ・ポーランドの社内チームによってクラクフで開発および製造される。

 フィエスタRally4に搭載されるのは、旧モデルと同様の直列3気筒999ccのターボチャージャー付きフォード・エコ・ブーストエンジンだが、出力レベルを車両規定で認められた210bhpに高められ、またトルクも315Nmに上げるようにアップグレードされている。また、ギアレシオも見直され、ドライブシャフトを強化、向上したパワーとトルクをより効率的に路面に伝えられるよう設計されている。

 また、フィエスタRally4は、酷暑のなかで行われるラリーでもパフォーマンスを発揮できるように、冷却を改善するために新規定で認められたボンネット・ベントを採用しており、マシンは驚くほど新しいアグレッシブな外観も誇っている。

 また、ハンドリングを改善することを目的としてサスペンションにもアップグレードが施され、エキゾーストの軽量化、パワーアップにより、車両のパワーウエイトレシオが向上している。

 Mスポーツ・ポーランドの代表であるマチエイ・ヴォーダは、フィエスタRally4はR2マシンの包括的な進化形であり、その人気と成功の恩恵を受けていると語った。

「新フィエスタRally4は、もっとも熾烈なカテゴリーの中で戦うための非常にエキサイティングなマシンとして誕生した。これまでに非常に多くの台数がカスタマーに納車され、走行距離を積んだため、クラクフにある当社のエンジニアリングチームは、さまざまなバックグラウンドの膨大な人数のドライバーから建設的なフィードバックを受け取ることができ、そのおかげで開発戦略を迅速に特定することができた」

 Mスポーツのマネージング・ディレクターを務めるマルコム・ウィルソンは、このマシンがスポーツの未来のスターに対する同社のコミットメントを象徴していると語った。

「Mスポーツとフォードは、スポーツのあらゆるレベルをサポートすることに関して常に最前線にあり、草の根からトップレベルのラリーまで、費用対効果の高い競争力のある選択肢を提供するために、常に幅広い範囲の製品を開発している」

「FIAの新しいラリーピラミッドがより識別しやすくなることに伴い、我々は入門レベルからパフォーマンスレベル、そしてトップレベルに進む人に向けて、あらゆるレベルを代表するマシンを用意する予定だ」と彼は説明した。

 新しいフィエスタRally4および2019年までのフィエスタR2のアップグレードキットは、4月1日から注文できる。