WRC2017/10/25

Mスポーツ、10年ぶり栄光にホームで挑む

(c)M-Sport

 Mスポーツにとって、彼らが本拠をおく英国で開催されるラリーGBはカレンダーの中で最も重要な一戦だが、とくに今年は大きな意味をもっている。チームにとって10年ぶりとなるマニュファクチャラー選手権タイトルがホームイベントで決まる可能性が高いからだ。

 MスポーツはフォードのワークスチームとしてWRC参戦して以来、これまで2006年と2007年にマニュファクチャラーズチャンピオンを獲得しているが、母国ラウンドでタイトルが決まったことはこれまでになかった。

 以前にはRACラリーと呼ばれていたこともあるラリーGBは、1932年に誕生、イングランド、スコットランド、ウェールズへと開催地を転々と移してきた時代もあったが、2000年からはウェールズに中心に開催されており、今年で73回目の開催を迎える、まさしく世界ラリー選手権を象徴するイベントの一戦である。

 マニュファクチャラーズ選手権獲得まであと4ポイントに迫って迎えるホームイベントを前にMスポーツ代表のマルコム・ウィルソンは武者震いを抑えきれない。

「我々が今週末に獲得間近なものが、どれほど重要な成果か言葉で説明することは難しい」とウィルソンは語った。

「我々がフォード・フィエスタWRCの開発に着手したとき、我々は競争力のある、ラリーに勝てるクルマを設計できる人々と働いていることを知っていた。そして我々は常にこのような順位に立つことを願っていた。それが現実となった今、この感慨を言葉にすることは本当に難しい」

 Mスポーツ・ワールドラリーチームは今季これまでの布陣と変わらない3台体制でホームイベントに挑む。選手権リーダーのセバスチャン・オジエ、選手権2位のオット・タナク、そして地元ウェールズ出身のエルフィン・エヴァンズという最強のメンバーだ。

「もちろん、我々の仕事はまだ完了していない。我々はウェールズ・ラリーGBがどれほど難しいイベントとなり得るのか忘れることはできない。それは変わりやすい天候と予期せぬグリップ、そして長いレグによって、今季最も厳しいイベントの1つだからね」

「しかし、3人のドライバー全員がウェールズでの実力を証明している。私は彼ら全員が可能な限り最高の結果を確保してくれることを確信している。もちろん何が起こってもおかしくはないが、我々はこの仕事を終えるために、ゲームを完全に掌握しなければならない」