RallyCross2019/06/06

STARDが世界RX新EVシリーズにパワートレイン供給

(c)STARD

 マンフレッド・ストールが代表を務めるSTARD(ストール・アドバンスドR&D)が、今後新たに導入される世界ラリークロス選手権のサポートシリーズProjekt Eへの電動パワートレイン・キットの公式サプライヤーになることを正式発表した。

 オーストリアに本拠を置くSTARDは、2021年までに世界ラリークロス選手権サポートクラスとしてスタートするこの新シリーズにパワートレイン・キットを独占的に供給することを発表するとともに、EVラリークロス仕様のプロトタイプマシン、HIPER MK1テストカーを公開した(写真左はストール代表、右はジャン・トッドFIA会長)。

 コンセプトが発足したのは、3月末に2021年に世界WRを電気自動車へスイッチするという計画の消滅が明らかになったわずか数日後のことである。

 Projekt Eで使用されるクルマのタイプに関する詳細はまだ明らかにされていないが、STARDのHIPERプロトタイプは今のところ、それぞれのアクスルでモーターを作動させて4輪全てを駆動し、現在の世界RXスーパーカーと同様のパフォーマンスを発揮させるという。

「いちばん最初からIMGのイニシアチブの一部であったにも関わらず、我々はこれまで、一切邪魔をされない状況での自分たちの開発に取り組んでいくために、裏方に徹していく方が良いと考えてきた」とストールは語った。

「そしてついに非常に進化した開発段階に達したことで、我々としては、IMGによるこの画期的で、極めて勇敢な取り組みへの我々の独占的な関わりについて発表できることを非常に嬉しく思う」

 ストールによれば、ウィーンのワークショップなどで3つのそれぞれ異なったモデルに取り組んでおり、今年の後半にそのコンセプトのテストを行なう準備ができると語っているが、それ以上の詳細についてはまだ明かされぬままとなっている。

 チームは現在、世界RXでラトビア人ドライバーのヤニス・バウマニスと交代で参戦するセカンド・ドライバーのために2台のフォード・フィエスタ・スーパーカーを走らせている。

「ラリークロスは非常に多くが求められる厳しさとユニークな環境が特徴的だ。我々には広範囲に及ぶR&Dと2015年からの世界RXでのレーシング活動に加え、今年後半には運用が開始される最新世代のEV部品のための独自の開発とテストプログラムを準備しているが、世界RXの参戦はその開発作業でも役立つ」とストールは付け加えている。