フォルクスワーゲン・モータースポーツは、ポロGTI R5に多発しているパワーステアリングの問題について早急に解決策に取り組むことを約束した。
ポロGTI R5のパワーステアリングに最初に問題が発生したのは、ERC開幕戦ラリー・アソーレスだった。アソーレスには2台のポロGTI R5が出場しているが、ともにパワーステアリングの問題に悩まされ、マリヤン・グリーベルはシェイクダウン前のテストセッションを棒に振り、ノルベルト・ヘルツィグ(写真)もラリー初日にパワーステアリングを壊してストップしている。
さらに、同じ問題はその翌週に行われたツール・ド・コルスでも立て続けに発生、2位につけていたニコラ・シアマンがステアリングが利かなくなってコースオフ、ERCチャンピオンのカイエタン・カイエタノヴィッチも同じく土曜日に同じ問題を抱えてタイムロスを喫している。
「僕らはいまいましいステアリングの問題でリタイアすることになった」とヘルツィグはアソーレスでリタイアしたあと、ステアリングについて不満を述べていた。
「SS7でブレーキをかけた後、コーナーが右に曲がっているが左に曲がっているステアリングが回らないことに気づいた。サーボがなくなったが、ハンドルを回すことはなんとか可能だったが、それは非常に困難だったが、最終的にはおそらくギヤが壊れて引っかかって動かすことができなくなったので、ラリーを終えることになった」
「同じ問題はラリーの前にグリーベルに起きており、ステアリング一式を交換している。このようなトラブルが連続するのはフォルクスワーゲンにとっても良くないことであり、ファクトリーが問題をすぐに修正すると確信している」
イタリアのスポルテック社から提供されるポロGTI R5のステアリングは、基本設計は実績のあるシュコダ・フィビアR5と同じものだが、その取り付け方法などは異なっているとされている。
フォルクスワーゲン・モータースポーツはカスタマーたちからの問題報告にすぐに反応、すでにポロGTI R5のステアリングシステムの改良に取り組んでいることを発表している。
「我々はカスタマーのニーズを真剣に受け止めており、ステアリングの改良バージョンの開発にはすでに懸命に取り組んでいる」とフォルクスワーゲン・モータースポーツ代表のスヴェン・スミーツは語っている。
また、フォルクスワーゲンでは、当面の対策として、ステアリングのメンテナンス間隔を短くしてシステムをチェックするようユーザーに指示を出しており、追加メンテナンスの費用はフォルクスワーゲン・モータースポーツが負担すると発表している。