WRC2022/05/09

ロヴァンペラ、欧州ドリフト選手権でファンを魅了

(c)RedBull Content Pool

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 カッレ・ロヴァンペラは、先週末にアイルランドで行われたドリフト・マスターズ・ヨーロピアン・チャンピオンシップ(DMEC)の開幕戦にトヨタGRスープラで初参戦、強豪を相手に惜しくもクオーターファイナル目前で敗退することになった。それでも、WRCでは今季2勝を飾って選手権をリードしているとはいえ、ドリフト選手権ではほとんど経験をもたない21歳のルーキーがこれほどの才能をみせつけたことにファンたちは大歓声を贈ることになった。

 ロヴァンペラは、アイルランドのモンデロパークで行われたDMEC開幕戦にD1GPやフォーミュラ・ドリフトのチャンピオンである斉藤大吾のFat Five Racingが製作したGRスープラで参戦、土曜日に行われた予選1回目の走行では右リヤをダートに落とすミスを犯したが、予選2回目の走行では予選7番手となる93.00ポイントを獲得、レッドブルTVのコメンテーターが、思わず「ラリードライバーがここに来て、ベテランたちを落ち込ませていいのか!」と驚嘆して叫び声を上げたほどのパフォーマンスをみせることになった。

 迎えた最終日のファイアル、ロヴァンペラはその初戦で予選を26位で終えたギリシャのスタブロス・グリリスを撃破してトップ16に進出、ポーランド出身のラリーレイドドライバーでもあるヤクブ・プジュゴンスキーと対戦する。二人の対戦は、ジャッジが勝者を決められないほどの接戦となったため、異例のOMT(ワンモアトライアル)の判定が下ることになり、再スタートを切ることになった。

 ロヴァンペラは再トライアルでは先行でスタート、第1ターンでドリフトアウトで後輪をダートに落としてフロントタイヤをリフトする派手なアクションを見せるも、後追いの対戦ではタイヤに問題を抱えてしまい、イン側に接近したドリフトを維持することができずに敗退となってしまった。

「最初のバトルで、なぜかタイヤのグリップを失ってしまった。グリップをさらに高めようと、空気圧を少し下げたところ、さらにグリップが低下した。ちょっと不思議な感じで、まるでタイヤがリムの上で空回りしていたようだった。そのせいで追走でもうまく前の車に追いつけなかったんだ」とロヴァンペラはコメントした。

「こうして敗退してしまうのは残念だが、この週末は楽しめた。次回はもっと強くなるよ」

 DMEC開幕戦アイルランドはポーランドのピョートル・ヴィチェクが優勝、ロヴァンペラは7月上旬にスウェーデンで開催されるシリーズの第3戦にふたたび出場する予定となっている。