ERC2024/05/04

パッドンが初日リード、ボナートは予選戦略を後悔

(c)RedBull Content Pool

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 2024年ヨーロッパ・ラリー選手権の第2戦、ラリー・イスラス・カナリアスが5月1日木曜日に開幕、BRCレーシングチームのヘイデン・パッドン(ヒョンデi20 N Rally2)が大観衆が見守ったグラン・カナリア・アリーナのオープニングステージでトップタイムを記録、ラリーをリードすることになった。

 1.80kmのSSS1ラス・パルマス・デ・グラン・カナリアは、屋外のターマックセクションには数千人のファンが押し寄せていたほか、特徴的なグラン・カナリア・アリーナの体育館のなかのセクションにも8,000人のファンが詰めかけており、パッドンが正確なドライビングを披露して1分30秒5という最速タイムを叩き出した。

 昨年も同ステージで最速タイムを記録しているパッドンは、1.2秒リードして金曜日のターマック・ラリー初日を迎える。厳しい山岳路は、変わりやすい天候によってさらに厳しい試練となるが、多くのターマックラリーとは異なり、インカットができないサーキットのコースのような特徴をもつ。

「ニュージーランドは朝なので、目が覚め始めているよ」とパッドンは語った。「ここにはたくさんの人がいて、雰囲気は最高だ。明日の朝が待ち遠しくなったよ」

 チームMRFタイヤのアンドレア・マベリーニ(シュコダ・ファビアRS Rally2 )は左リアをウォールに接触しながらもトップから1.2秒差の2番手タイム。ミコワイ・マルツィック(シュコダ・ファビアRS Rally2 )が1.4秒差の3番手。さらに0.2秒差の4番手にエリック・ツァイス(シュコダ・ファビアRS Rally2 )がつけている。

 さらに0.1秒差の5番手には開幕戦で表彰台に立ったマティユー・フランセスキ(シュコダ・ファビアRS Rally2 )とミクローシュ・チョモス(シュコダ・ファビアRS Rally2 )が並び、チームMRFタイヤのエフレン・ヤレーナ(シュコダ・ファビアRS Rally2 )が1秒後方の7位につけている。

 8番手にはシモン・ワグナー(シュコダ・ファビアRS Rally2 )、9番手には呼吸器系の問題で開幕戦ハンガリーを欠場したマッズ・オストベルグ(シトロエンC3 Rally2)がやっとシーズンを開始、「スタジアムに到着したときは本当にカオスのような興奮ぶりで、滑りやすかったので注意していった」

 2023年ラリー・イスラス・カナリアスの勝者ヨアン・ボナート(シトロエンC3 Rally2)はやや慎重になりすぎた走りでトップから3.4秒遅れの10位となっている。

 ボナートは、この日行われたサンタ・マリア・デ・ギアの予選ステージで最速タイムを記録し、金曜日のオープニングレグで1番手でスタートする権利を確保したが、彼はそのことをあまり喜んではいない。グラン・カナリア島の天候は予測不可能なため、ボナートは、ステージのコンディションを適切に判断し、正しいタイヤ選択をするためにはスタートポジションを下げたかったと明かした。

「目標は10位か12位だったんだ。なぜかわからないけど、ブレーキを踏むのが少し早かったんだ」とボナートは苦笑いをした。「スタートは良くなかったと思う。昨年は1番手からスタートするのが難しかったが、今回は僕のミスだ」

 これまでのERCでは、予選ステージの勝者が最初に走行順を決める権利を得ていたが、2024年からの新ルールでは、予選最速者がターマックラリーでは第1レグを最初に走行することに変更されている。

「でもそんなことは関係ない。去年もスタートは良くなかった。1番手からのスタートは難しかったし、最初のステージで30秒くらいロスしている。しかし、僕らは30秒差で優勝したからね」


 マルティンシュ・セスクス(トヨタGRヤリスRally2)が初日11番手、フィリップ・マレシュ(トヨタGRヤリスRally2)が12番手、2度のERCチャンピオンでラリー・イスラス・カナリアスを4度制したアレクセイ・ルクヤヌクがヒョンデ・カナリアスのi20 N Rally2を駆って続いているが、まだ新しいマシンには慣れないようだ。「新しいマシンと友人になりたいが、今のところ、僕が望むような反応をしてくれないんだ」。

 ラリー・イスラス・カナリアスは5月2日金曜日、現地時間10時38分に行われるアグイメス-サンタ・ルシア・ステージで再開される。