WRC2023/12/27

【TOP10-第10位】テーム・スニネン

「耐えてチャンスを待つ」

(c)Hyundai

Teemu Suninen
Hyundai Motorsport

 テーム・スニネンはヒョンデi20 N Rally1のレギュラーシートに近づいたように見えたが、またしても運命は彼の味方をすることはなかった。彼は落胆しているものの、トップレベルへの復帰を諦めるつもりはない。

 スニネンは2021年にヒョンデに移籍し、ACIラリー・モンツァでオイット・タナクの代役としてトップカテゴリーに挑んで以降は、チームのための開発ドライバーとして地道な作業を行うとともにRally2カーでのWRC2参戦をしながらRally1カーでのデビューをじっと待ってきた

 そして、今季、やっとチャンスが到来、エストニア、フィンランド、チリ、セントラル・ヨーロッパの4ラウンドでヒョンデi20 N Rally1をドライブすることができた。スニネンはエストニアで5位、フィンランドで4位と、グラベルでは上昇カーブを描いてめきめきとペースを上げ、セントラル・ヨーロッパではRally1カーで初めてターマックを走行し、新たなチャレンジに直面しながらも6位という悪くない結果をみせている。

 そしてチリはスニネンにとってシーズンにおけるハイライトの一戦となった。彼は金曜日の午後にRally1で初ステージ優勝を飾って一時トップに立つなど印象的な走りをみせ、2020年のメキシコ以来となる表彰台が期待されることになった。だが、2位争いをして迎えた最終日、彼はステアリングを壊してしまいラリーから脱落することになった。

 ヒョンデはスニネンを将来チームの柱になりうる人材としてRally1カーのドライブのチャンスを与え、スニネンは十分に来季につながる結果を示してその期待に応えたかにも見えた。

 それだけに、ヒョンデが来季のラインナップに彼ではなくアンドレアス・ミケルセンを起用したのは意外だった。それでもスニネンはヒョンデの決定に失望しているが、恨んでいないと語った。

「僕らはかなりいい走りができたと自分では思っていた。3つのグラベルレースでは、常にペースが上がっていた。チリでは表彰台ペースだったし、総合ではグラベルで4番手だった」とスニネンはふりかえっている。

「もちろん、大きな失望だった。もちろん、ドライバーを選ぶのはチーム次第だ。彼らはそういうラインナップがベストだと判断したと理解している。でも、自分の居場所はそこにあると感じているし、これからも挑戦し続け、マーケットにとどまらなければならない」

■テーム・スニネン
生年月日:1994年2月1日(29歳)
選手権ランキング:9位
獲得ポイント:42点
ベストリザルト:4位
優勝回数:0回
2位の回数:0回
3位の回数:0回
表彰台回数:0回
出場回数:7回
ベストタイム回数:1回
リードしたステージの数:1SS
リタイア数:1回
リスタートの回数:0回
パワーステージ勝利数:0回
パワーステージ獲得ポイント:3点