ウィリアム・クレイトンは、EKOアクロポリス・ラリー・ギリシャで5位入賞を果たし、コドライバーのリアム・リーガンとともに2023年FIAジュニアWRCチャンピオンに輝いた。
25歳のクレイトンは、今年4月に事故によって亡くなったクレイグ・ブリーンが2011年に達成して以来のアイルランド人によるシリーズ制覇(当時はWRCアカデミーと呼称されていた)となった。
フォード・フィエスタRally3のワンメイクで争われるジュニアWRCは、アクロポリス・ラリーで今季最終ラウンドを迎えることになった。
モータースポーツ・アイルランド・ラリーアカデミーのクレイトンは、スウェーデンとサルディニアで2勝を飾って29ポイントをリードして最終戦を迎えたが、このギリシャでは獲得ポイントが2倍となるため、タイトルのためにはノーサービスで走る金曜日には細心の注意で望まなければならないと語っていた。
だが、彼は金曜日の朝にラジエーターにダメージを負ってリタイアした後、土曜日には31分遅れの8位という最後尾で復帰したクレイトンは、ラフなコンディションのなかで同じようにトラブルで消えるライバルたちを一人ずつ抜き去り、6位までポジションを上げて最終日を迎えることになった。
クレイトンは最終日もポジションを一つ上げて5位でフィニッシュ、最終戦で優勝したディエゴ・ドミンゲスに8ポイント差をつけてシーズンを終えることになった。選手権では各イベントの順位に対するポイントのほか、ステージ勝利に対するボーナスポイントが1点ずつ加算されるため、シーズン通算34度のステージ勝利を挙げたクレイトンに対して、ドミンゲスはわずか8勝だったことが最終的に決め手となった。
「正直、信じられないよ。金曜日にあんなことがあったのに、車には 『決してあきらめるな』と書いてある。でももちろん、わずかなチャンスしかないことはわかっていたし、難しいレースになることもわかっていた」とクレイトンは語った。
「でも、いいペースとステージ優勝を見せなければならなかった。1年を通してのステージ優勝、スウェーデンでの優勝、そしてそのタイトさを考えるとクレイジーだ。そして今、このような結果になった。信じられないよ」。
クレイトンの賞品には、2024年にMスポーツのフォード・フィエスタRally2のステアリングを握って4戦のWRC2に出場できる権利のほか、各ラウンドの事前テスト、ピレリの提供による200本のタイヤを含むキャリアアップのため賞品パッケージが贈られる。
「クレイグ(・ブリーン)がやったことを真似するために、僕たちは皆、楽しむためにラリーをしているんだ。彼のことをずっと考えていたよ」とクレイトンは付け加えている。
ドミンゲスの後方では、イーモン・ケリーが日曜日の朝にギアボックスのケーシングにヒビが入っていたにもかかわらず、2位を獲得した。ベルギー出身のトム・レンソネは3位だった。