WRC2020/08/19

エストニア、徹底的な観客コントロールを約束

(c)Rally Estonia

 新型コロナウイルスの収束についてはまだまだ予測できない状況にあるが、ラリー・エストニア主催者は初めての世界ラリー選手権を開催するという強いプレッシャーと戦いながらも、コロナ禍において初めて観客の徹底的なコントロールに成功したラリーとなることを目指す。

 バルト三国のひとつであるエストニアは、政府が実施する健康対策を遵守し、観客数を16,000人に制限した上で、最高のコンディションでラリーを開催することを目指す。エストニアでは屋外のイベントでの観客が1,000人に制限されているが、16種類の異なる観戦パッケージをもつラリーパスを1,000枚ずつ発行、それぞれのグループは、異なる観戦プログラムとスケジュールにしたがって行動するため、グループ間での接触がなく、新型コロナへの感染リスクを最小に抑えての開催を試みるという。

 各グループの観客は厳格な管理のもとでコントロールされ、グループごとに決められた時間を超えて、観戦エリアに入ることは許されない。すでにチケットは8月4日からラリー・エストニアの公式サイトにおいて65ユーロで販売されている。観客の追跡を可能とするためにラリーパスの購入のためには氏名と身分証明書コードを登録する必要があり、エストニア保健局の規制により、過去14日間にコロナウイルスに感染した人の割合が人口10万人あたり16人以上の国では、ラリーパスを購入することはできないことになっている。フランス、スペイン、スイス、ポルトガル、ベルギー、スウェーデン、英国、ポーランドなど多くのヨーロッパの国がこれに該当することになり、コースの多くがエストニア、ラトビア、リトアニアのバルト三国の観客で占められることになりそうだ。

「もちろん、最大の危機は健康に関する問題だ。もし、保健委員会が今日にもラリーコミュニティや主催者がいかなる理由であっても観客をコントロールできないと判断した場合、それはラリーの開催を危険にさらすことになる」とラリーの運営組織代表のウルモ・アーヴァは語った。

 アーヴァは、観戦エリアの制限と厳しいコントロールに対して、観客の一部が、課せられたルールを破りたくなることは避けられないと予想している。しかし、このような行為が見られた場合、エストニアのイベントの円滑な運営に大きな支障をきたす可能性があるとして、このような行為を避けるために、警察や国境警備員と緊密に連携していると語っている。

「もしそれでもステージに入ろうとする観客がいる場合は、ステージの開催自体に疑問を投げかけることになる。長期的に見れば、ここで対応できなければ、信頼を得ることはできないので、二度とエストニアでWRCのステージを開催する機会はないと確信している」とアーヴァは警告している。