WRC2025/04/24

カナリアスの山岳サーキットで勝田が魅せるか

(c)Toyota

 トヨタGAZOOレーシング・ワールドラリーチームの勝田貴元は、サーキットのようなコンディションで開催されるラリー・イスラス・カナリアスではこれまで以上に自分の力を証明したいという強い思いで臨んでいることだろう。

 勝田はスウェーデンで白熱した優勝争いを演じたことで、良い流れをつかんで過去3度表彰台を経験しているサファリ・ラリーを迎えたが、今回は、いつもとは異なる厳しい試練に直面することになった。

 勝田は体調不良とパンクによる出遅れを挽回、最終日を4位でスタートしたが、スーパーサンデーとパワーステージの最大ポイントと狙って挑んだ最終ステージでクラッシュ、ノーポイントでラリーを終えることになった。

 勝田にとってはかつてないほど悔しい思いをしたラリーとなったが、今週のカナリアスは名誉挽回の絶好のチャンスになるかもしれない。カナリアスはコーナーカットがほとんどないため、後続のドライバーもクリーンでグリップの変化のない路面を走ることができる。それゆえカナリアスのコースはまるでサーキットのようだと称される。

 誰よりもレースでの豊富な経験をもつ勝田にとってはトップ争いも期待されるところだが、それでも彼は具体的な週末の目標については語らず、マシンの最大パフォーマンスを存分に引き出してラリーを楽しみたいと控えめに語っている。

「他のドライバーから聞いたところ、ラリー・イスラス・カナリアスは最も素晴らしいターマックラリーの一つということなので、本当に楽しみです」と勝田は語っている。

「カナリアスは自分の過去のサーキットレースでの経験を思い出させるようなコンディションなので、それが良いパフォーマンスを発揮する助けとなることを願っています。コーナーのカットや路面のダートがほとんどない純粋なターマックラリーなので、マシンの最大パフォーマンスと空力性能を存分に発揮し、走りを思い切り楽しむことができそうです」

 カナリアスのターマック路面はグラン・カナリア島の溶岩が混じっておりタイヤの摩耗がきわめて激しい。そのためループを通したタイヤマネージメントが重要な週末になるだろう。新しいハンコックの特性を確認して、できるだけうまく適応していくことが重要だと勝田は語っている。

「今回のラリーでも新しいタイヤを使うことになるため、ステージでどのようなパフォーマンスを発揮するのか確認し、できるだけうまく適応していく必要があります」