WRC2023/12/03

クレイグ・ブリーン基金設立、若手支援へ

(c)Hyundai

 クレイグ・ブリーンの父レイからの意見を取り入れ、ブリーンの親友アンドリュー・ファニングと家族の友人であるアンディー・ヘイズはクレイグ・ブリーン基金を設立する。

 アイルランドのラリーはブリーンにとってかけがえのないものであり、母国のヒーロー、フランク・ミーガーへの彼の憧れについてはよく知られている。今年の4月、不慮の事故で亡くなったブリーンの遺志を継いで、アイルランドで次世代の若手ドライバーを支援するための基金を設立した。

 ファニングはこのように説明している。「彼は何か財政的支援の基金を立ち上げて、若いドライバーを援助するための計画を立てていきたいと考えていた。彼は私にこう言ったんだ。『アンドリュー、僕はアイルランドの人々やモータースポーツの助けを借りて多くのことを成し遂げてきた。何か恩返しがしたいんだ、若い人たちの助けになるような何かを』。彼はこの仕事をしっかり、きちんとやりたいと考えていた。次のアイルランド・ラリーの才能が確実に育つようにしたいと思っていた」

 ファニングは、ブリーンが亡くなる数日前にアイルランドで行われたJ1000ラリーシリーズでブリーンがスバル・レガシィを走らせたことが忘れられないと語っている。

「タイナでのあの日のことはよく覚えているよ。彼はレイの(スバル)レガシィを持ってきて、その日をちょっとしたテストセッションにしていた。J1000のドライバーたちは本当に喜んでいたよ! しかし、その2日後、4月13日、すべてが変わってしまったんだ。すべてがね」

 クレイグ・ブリーン基金は、ブリーンの母国への思いを継続することを目的としている。ヒョンデ・モータースポーツの支援を受けた同財団は、アイルランドで行われるJ1000フォレストリー・シリーズに、来年、35,000ユーロ=約560万円の資金を提供する。オールグラベルで争われるこの2024年シリーズに用意される賞として、来季の選手権でのトップ3は、彼らの2025年のプログラムのために16,000ユーロ=約255万円の賞金を分け合ことになる

 選手権の勝者には、スペイン/ポルトガル・ヒョンデi20カップ・ラウンドでの資金提供を受けてのドライブが提供される。このクルマは、ブリーンの友人であるジョゼ・ペドロ・フォンテの会社、Sports&Youが、ヒョンデ・スペインとヒョンデ・ポルトガルの支援のもと、提供し走らせる。

 さらに、上位2名のドライバーは、ジョン・ハフランドのラリー・スクールで1日授業が受けられるとともに、ブリーンの友人で長年コドライバーをつとめたポール・ネーグルが選手権上位3名のためにペースノート1日授業を提供する。

「クレイグならきっとこれがやりたかったんだなって、僕たちには分かる」とファニングは語る。「このことについて話し合って、彼のビジョンを実現させることがとてもとても重要なんだ。ヒョンデ・モータースポーツには本当に感謝している。彼らがこの1年ずっと我々に示してくれたサポートは信じられないくらい素晴らしいもので、クレイグ・ブリーン基金への支援でもそれは続いている」