WRC2023/01/23

グリアジン、規定違反のためWRC2優勝を剥奪

(c)TOKSPORT WRT

 ラリー・モンテカルロでWRC2のトップでゴールを迎えたニコライ・グリアジンは、土曜日のSS14ユブレイユ〜アントルヴォーで、過度なコーナーカットがあったとして5秒のタイムペナルティを受けることになった。これによって、2位でフィニッシュしたヨアン・ロッセルが繰り上がって優勝を飾ることになった。

 トークスポーツWRTから出場したグリアジンは、新しいシュコダ・ファビアRS Rally2のWRCデビュー戦でこのマシンに初のWRC優勝をもたらしたに見えたが、土曜日にナイトステージとして行われたSS14で定められた道路から離れて走行することを禁止した規定に違反があったとしてロッセルが所属するPHスポールから抗議が出されていた。

 グリアジンはモンテカルロを木曜日からラリーをリード、その後もパーフェクトな走りでアドバンテージを45秒に拡大してSS14を迎えたが、残り7km手前で右フロントタイヤをパンクし、リードは15.2秒差に縮小していた。

 グリアジンは最終日にタイヤの問題でタイムを落としたが、4.5秒の差をつけて優勝を飾ったかに見えたが、「競技車はロードブックで定められた道路を走らなければならない」と定めたWRC競技規則第19条2項に違反したとしてロッセルとPHスポールが抗議したことで、グリアジンには5秒のタイムペナルティが科され、0.5秒差でロッセルが勝利することになった。

 ロッセルは、PHスポーツのチームコーディネーターであるコラリー・バルバサとシトロエン・レーシングのカスタマーレーシング責任者であるディディエ・クレモンが代表としてスチュワードの聴き取りに出席し、彼の主張をサポートするビデオを証拠として提出した。

 グリアジンの走行に問題があったとされたのはSS14ユブレイユ〜アントルヴォーでの13.2km地点のコーナーで、彼のシュコダはイン側に大きくタイヤを落として道路からかなりラインを外れて走行を行っていることが確認されている。

 スチュワードの聴き取りに出席したグリアジンは、右フロントタイヤのパンクにより、特定のコーナーでマシンをコントロールするのが困難だったため、「定められた道路を尊重することができなかった」と釈明している。

 しかし、スチュワードは、グリアジンが意図して規定で守るよう定めた道路を使用しないでタイムを縮めたと判断、ロッセルの抗議を認めるとともにグリアジンに5秒のタイムペナルティを適用することを決定した。

 ロッセルにとってはすっきりしない勝利となったが、彼自身も2021年のアクロポリス・ラリー・ギリシャでシトロエンC3 Rally2のフロントサブフレームが重量オーバーと判断され、WRC3での優勝を逃したことがある。