WRC2025/02/19

シェーンボーンがビヨンド・ラリーの栄冠に

(c)M-Sport

 クレア・シェーンボーンがビヨンド・ラリーの栄冠を勝ち取り、FIAジュニアWRCへのフル参戦を決めている

 シェーンボーンは、FIAジュニアWRCの開幕戦となったラリー・スウェーデンで行われたビヨンド・ラリー・女性ドライバー育成プログラムの最終決戦を制し、今年のFIAジュニアWRCの残り4戦へフル参戦する権利を獲得している。

 WRCプロモーターが2024年に立ち上げ、ビヨンド・ラリーの傘下で発足させたこのプログラムのイニシアチブは、ラリースポーツの最高レベルへの女性の参加を増やし、意欲的な女性ドライバーに道を提供することを目的としている。ドイツ出身のシェーンボーンは、この画期的なプログラムの最初の勝者となり、ジュニアWRCシーズンの残りの期間をフルに走るためのフォード・フィエスタRally3のシートを手にしている。

 シェーンボーンの旅路は昨年、100人近い応募者のひとりとして始まった。厳正な選考の結果、15人のドライバーがポーランド、クラコフのMスポーツ・ポーランド本社で3日間の審査に進み、ベルギーのリシア・ボーデ、フィンランドのスヴィ・ユルキアイネンとともに次のステージに進むことになった。

 この3人は10月に開催されたセントラル・ヨーロピアン・ラリーに参戦し、当初はそこで勝者が決定するはずだった。しかし、シェーンボーンとボーデがほぼ互角のパフォーマンスを披露したため、主催者は勝負を今回のラリー・スウェーデンに持ち越して最後の直接対決を行うことにした。

 雪と氷に覆われた4日間のイベントで、シェーンボーンはコドライバーのヤラ・ハインとともに、ボーデを3分近く上回り、悲願の栄冠を獲得するに至った。

「信じられない」と、シェーンボーンは熱く語っている。「今は私たちが成し遂げたことを実感するのも難しい。ラリー・スウェーデンに参加できたことをうれしく思っているし、無傷で完走できたことが本当にうれしい、それがいちばんの目標だった。そしてこれから、残りのシーズンに向けてジュニアWRCに参戦していくためのハードワークが始まる!」

 WRCプロモーターのスポーツ・シニア・ディレクターで、ビヨンド・ラリー・ウィメンズ・ドライバー育成プログラム会長をつとめるピーター・トゥールは、シェーンボーンの成果を賞賛している。「これこそが、我々がビヨンド・ラリー・ウィメンズ・ドライバー育成プログラムで達成しようとしていること、才能ある女性ドライバーを発掘し、彼女たちのトップへの道のりをサポートする、ということだ。クレアはスウェーデンで素晴らしいパフォーマンスを披露した、そして彼女のFIAジュニアWRCへの昇格は当然の結果だ。今シーズンの残りのラウンドでの彼女の幸運を祈っている」

 シェーンボーンの次なる挑戦は、5月15日〜18日に開催されるFIAジュニアWRC第2戦、ラリー・デ・ポルトガルにて待ち受けている。