WRC2020/03/27

スウェーデン、来季はまだトースビーを離れない

(c)Toyota

 ラリー・スウェーデンのCEOを務めるグレン・オルソンは、来シーズンはトースビーに残ってラリーを開催しながら、2022年には雪に覆われた北部エリアでの開催を目指していると語った。

 スウェーデンでは今週、イェムトランド・モータークラブがトースビーから北に400kmほどに位置するエステルスンドでラリー・スウェーデンをホストしたいと名乗りを挙げたと報じられたほか、これまでより600kmも北に位置するスウェーデン最北端のノルボッテン県の4つの市がラリー・スウェーデンの開催地の候補としてオルソンに招かれたとのニュースが流れている。

 オルソンは、これらのニュースの詳細についてはコメントを避けたものの、温暖化に対する長期的な解決を目指して北部エリアでの開催の調査を開始していることを認めた。

「他の地域と話し合って、イベントへの関心や冬のその地域の雪の量を調べていることは確かだ。スポーツや商業の側面について考える前に、ラリー・スウェーデンに適したウィンターコンディション、豊富な雪の路面を探している」

 オルソンは、さまざまな地域やコミュニティなど適切なロケーションパートナーを見つけることが、ラリー・スウェーデンの持続可能な未来にとって重要な鍵になるが、そうした側面だけでは運営はできないと語った。

「まずはこれらの場所で期待できる観客の数を評価する必要がある。北に行くほど、ほとんどの観客にとって移動する距離が長くなる。それからイベントへの企業の投資はありそうなのか、ホテルと宿泊施設を実際にそのくらいの数を抑えられるか、そしてこれがサービスパークにどれだけ近いかを調べる必要がある」

「そして、もちろんラリーの開催のためにはスポーツの側面がある。ルートと連動するサービスパークがあり、良い道路と十分なモータークラブがなければならない。ラリー・スウェーデンには3500人のマーシャルが必要だ。彼らなしではラリーを運営することはできない」

 オルソンは、ラリー・スウェーデンがトースビーをすぐに離れない大きな理由の一つがスポンサーの問題だと認めている。

「我々は現実的にならなければならないし、民間企業がイベントに参加して投資することを期待するのは難しい状況を受け入れる必要がある。新天地に引っ越す前ためには、パートナーが整っている必要がある。来年(トースビー以外)他の場所でイベントを開催するのは非現実的であり、次のシーズンに向けて短期的な解決の道を考えて、2022年からの長期計画を立てる必要がある」

 今年のスウェーデンは雪不足によってほとんどのステージをキャンセルせざるをえなかったが、オルソンは新型コロナウイルスの直撃を食らわなかっただけに幸運だったと考えている。

「スウェーデンは大きな問題だと思った。しかし、いま起こっている出来事を見ると、我々の結果には非常に幸運だと感じている。我々のラリーから6週間後、世界はまったく異なるものとなってしまった。この現在の危機はイベントに打撃を与えるだろうし、生き残るための大きな戦いになる」