WORLDWIDE2019/04/30

スバル・ブルーのソルベルグJrが初優勝

(c)SUBARU Motorsports USA

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 スバル・モータースポーツUSAのオリバー・ソルベルグとドゥニ・ジロウデは、2019年のダートフィッシュ・オリンパス・ラリーを勝利した。ソルベルグは2日間を通してチームメイトのデビッド・ヒギンスと激しく競い、最終的に25.9秒の差をつけて勝利した。

 ソルベルグのコドライバーを務める予定だったアーロン・ジョンストンがラリー直前になって、ESTA(電子渡航認証システム)の手続きにおける問題からアメリカに入国できないことが判明、父であるペター・ソルベルグが携帯電話のたくさんのリストのなかからベテラン・コドライバーであるドゥニ・ジローデにコンタクトをとり、急遽、17歳のソルベルグと63歳のジローデという、46歳という年齢差のコンビでオリンパス・ラリーをスタートすることになった。

 オリンパス・ラリーは初日、寒くて風の強いコンディションのなかで、ディフェンディング・チャンピオンのデビッド・ヒギンスが序盤をリードすることになったが、ソルベルグはSS2から2連続でベストタイムを奪ってヒギンスの2秒差に迫ることになる。二人の激しいバトルが続くかに見えたが、ヒギンスはブレーキトラブルによってSS7ワイルドキャット・ステージで27秒をロス、初日のゴールまでに41.4秒もの遅れをとることになってしまった。

 ソルベルグは大きなリードを手にしてラリー2日目をスタートしたが、ARA防衛を目指すヒギンスも猛追、ルースグラベルの掃除を強いられるソルベルグがSS9でタイヤをパンクしたこともあり、ヒギンスはここで11秒を取り戻すことになる。

 しかし、最終日は初日より、暑くて乾燥した空気に変わったため、ステージ上に厚いダストが舞い上げられている。スタート間隔が1分から2分に変更されたためフロントガラスの視認性の問題はやや軽減されたが、それでも追撃するヒギンズには厳しい条件だ。ヒギンズはさらにSS10の33.4kmのナワッツェル・ステージでさらに14秒を奪うことに成功、最初のループを終えてソルベルグに15.8秒差まで迫ることになった。

 だが、残されたのはあと2つのステージ。ヒギンズはSS11でもプッシュを続けて、リーダーのソルベルグからさらに2秒を奪ったが、その時点でまだ13.7秒のギャップが開いており、残り1つのステージで逆転することは厳しい状況となった。ヒギンズはスピードを落として2位を堅持、デラミネーションをおこしたタイヤにもかかわらずベストタイムを奪ったソルベルグが最終的にリードを25.9秒差まで広げて初めてのARA勝利を獲得、スバル・モータースポーツUSAでの2019年初勝利を飾ることになった。

 ゴールを迎えたソルベルグは、スバル・ブルーのマシンのルーフに駆け上がってジャンプして初勝利を喜び、この勝利はソルベルグ・ファミリーにとって特別なものだと語った。

「正直言って、これは僕にとって非常に感情的な瞬間だよ」とソルベルグは語った。

「素晴らしい気分だよ!サイドウィンドウに『ソルベルグ』の文字が入ったブルーのスバルで勝利できた。これはソルベルグ・ファミリーにとって信じられないほど素晴らしい瞬間だよ。こんなことは夢にも思わなかった。最高のラリーだったよ!」

「土曜日はすべてが計画どおりだったが、日曜日はSS10で2本のタイヤをパンクしてデビッド(・ヒギンズ)に13秒差まで迫られてしまった。そして最後のステージでも(タイヤにデラミネーションが発生しており)パンクする恐れを抱えており、僕はタイヤをしばらく温存するためにブレーキングとコーナーからの出口に注意して非常にクリーンに走った。そしてステージが残りわずかとなった時、死ぬほどプッシュすることができた。フラットアウトで走り、僕たちは見事にコントロールした。素晴らしかったよ」

 ソルベルグは最終日、ルースグラベルを掃除するハンデを抱えて走ることになったが、これもいい経験になったと語った。

「これは僕にとって4輪駆動マシンでの2度目のラリーだからね。僕はまだすべてを学んでいるところであり、最初に道路を走行することを学ぶことは、このラリーでのテーマだった。僕はそれが厳しくなることを知っていた。デビッドがシーズン最悪のグラベルのラリーであると僕に言ったからね」

「最初に走るのは本当にトリッキーだった、天気は乾燥していてダスティだった。セバスチャン・オジエが彼がこのポジションで走ることについて欲求不満をもって話していることが、今ではもっと理解できるよ。ブレーキとスロットルでで出来るだけクリーンに走ることに努め、どうにかうまくいったよね!」

 ヒギンズは、17歳とは思えないほど熟練なラリーをしたソルベルグに完敗したと認めた。

「2位でフィニッシュすることは、通常あまりポジティブなことではない。昨日僕たちが多くのタイムを失ったのは残念なことだったが、起きた問題にしては少なく済んだ。そして今日は良い朝だったので、戦いに戻れた。今日の午後は、僕たちは彼が攻めるつもりのことを知っていたので最後のステージで必死にならないという戦術的な決断をした。彼のタイヤはぴったりフィニッシュに計算されていて、彼は明らかに今日のプレッシャーに上手く対処した。彼の完璧なラリーに脱帽だよ」

 フォード・フィエスタ・プロトを駆るチャンピオンシップリーダーのピオトル・フェテラがMスポーツのフォード・フィエスタR5を駆るシェームス・ブルックとの戦いを制して3位でフィニッシュし、選手権リードを維持した。