WRC2022/10/30

スペインはカタルニアとカナリアで交互に開催か

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 ラリー・デ・エスパーニャは2023年のWRCカレンダーに含まれない可能性が高いと見られているが、ラリーを主催するRACC(カタルニア王室自動車クラブ)とRFEDA(スペイン自動車連盟)はすでにWRC復活に向けて懸命に取り組んでおり、1年間のギャップのあと2024年以降はこれまでどおりのサロウをベースとしたコスタ・ドウラダでのイベントとカナリア諸島のラス・パルマスでのイベントを交互に開催させてスペインをカレンダーに定着させたいというプランがあるという。

 伝統的なラリー・デ・エスパーニャに代わって、来季のWRCターマックイベントとしてドイツ、チェコ、オーストリアの3カ国にまたがったセントラル・ヨーロッパ・ラリーが新たに開催されると見られているが、スペインもまた斬新なプランでカレンダーの復帰を計画しているようだ。

 スペインの新聞マルカによると、RACC とRFEDA は、FIAとWRCプロモーターに対して、2014年以降について興味深いプレゼンテーションを行ったと報じている。

 それによると将来のラリー・デ・エスパーニャは、これまでのカタルニアのラリー・コスタドウラダだけではなく、ERCイベントとして定着してきたカナリア島で行われているラリー・イスラス・カナリアスと交互にWRCを開催するというアイデアだという。

 ラリー・イスラス・カナリアスは、カナリア諸島の本島であるグラン・カナリア島において1977年の初開催以来、これまでに46回開催されており、ERCおよびインターナショナル・ラリーチャレンジ(IRC)といった国際的なシリーズとしても44回にわたって開催してきた実績と歴史をもっている。

 ヨーロッパ圏内であっても島嶼でのイベントはチームの負担が大きく、ツール・ド・コルスが敬遠されたように、WRCとしての開催は困難とも感じられるが、グラン・カナリア島の当局とRFEDAは、このラリー・イスラス・カナリアスを世界選手権レベルに引き上げるべく、話し合いをもっており、ERCイベントでもそうであるようにエントラントの交通費などの補助などを主催者が行う計画も盛り込まれているのではないかと考えられている。

 ラリー・イスラス・カナリアスは、多くのリゾートをもつカナリア島の観光局からの支援も大きく、かつてはカルロス・サインツやユハ・カンクネンをイベントのゲストドライバーに招いたことがあるほか、レース・オブ・チャンピオンズを開催していたこともあり、ミシェル・ムートンとの関係も深い。