オイット・タナクは、今シーズン限りでヒョンデ・モータースポーツから離れることを発表した。
タナクは2019年にトヨタで初のワールドチャンピオンに輝いた直後、ヒョンデに移籍、2020年以降、3シーズンにわたってアルゼナウのチームで戦ってきた。タナクは2020年も2021年もそれぞれ1勝しかできない苦しいシーズンを送ったあと、新しいハイブリッドマシンのi20 N Rally1で迎えた今季はヒョンデにとっても厳しい開幕となったが、彼はサルディニアでチームに初勝利をもたらしたあと、フィンランドとベルギーで連勝を飾ることになった。
トヨタがマニュファクチャラータイトルを決めた先週末のスペインが終わった夜、タナクはヒョンデとの契約を1年早く打ち切ることになったことをチームリリースを通じて明らかにした。
「これは個人的な決断であり、チームへの敬意を払いながら慎重に検討した結果だ」とタナクは語っている。
「しかし、僕は自分のキャリアの中で、新たな挑戦に踏み出すべき段階に来ていると感じていた。過去3シーズン、僕たちは良いパートナーシップを築き、その成果を誇りに思う。難しい時でもチームが一つとなって乗り越えてきたし、今年は正しい方向に動いていることも示した。今シーズンの後半は、物事がうまくいったときに達成できるパフォーマンスレベルを示すことができたが、僕にとっては新しいことをする時期を迎えた。チームの理解には感謝しているし、彼らの無事を祈っている」
チーム副代表のジュリアン・モンセは、タナクの決断に失望していると語ったが、チームへの献身的な努力には賛辞を送った。
「オイットの離脱は残念なことだが、我々が受け入れ、尊重しなければならない決断だ」とモンセは語った。
「彼は間違いなく世界ラリー界で最も優れたドライバーの一人であり、3シーズンにわたって共に達成した勝利を通じて、幸運にも私たちが直接体験することができた」
「ちょっとしたジェットコースターのようなものだった。私たちが一緒に仕事をした最初の年はパンデミックの影響を受け、今年は新たなハイブリッド規制に直面し、確かに困難もあった。しかし、オイットは、真のリーダーシップを発揮して、自分自身とチームに改善点を見いだし、再び勝利の道を歩むよう働きかけてきた。そして、私たちはヒュンダイi20 N Rally1で前向きな勢いをつけることになった」
「彼がいなくなるのは寂しいが、私たちにとっては再編成と再構築の機会でもある。2023年のクルーの構成についてはすでに真剣に考えていたので、今回の決定は望んでいたものではないが、来シーズンに向けてさまざまな可能性を開くものである。オイットとマルティン(・ヤルヴェオヤ)の今後の活躍を願っている」