WRC2019/01/25

タナクがモンテ初日をリード、ミークはパンク

(c)Toyota

(c)Hyundai

 2019年FIA世界ラリー選手権(WRC)開幕戦ラリー・モンテカルロは、初日のナイトステージを終えてトヨタGAZOOレーシング・ワールドラリーチームのオイット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)がリード、ワールドチャンピオンのセバスチャン・オジエ(シトロエンC3 WRC)が9.1秒差の2位、ヒュンダイ・モータースポーツのティエリー・ヌーヴィル(ヒュンダイi20クーペWRC)が14.3秒差の3位で続き、昨年のドライバー選手権トップ3が上位を占める展開となっている。

 ラリー・モンテカルロは木曜日の夜、サービスが置かれるギャップでのセレモニアル・スタートのあと、ラ・ブレオル〜セロネ(20.76km)、アヴァンソン〜ノートル・ダム・デュ・ロー(20.59km)という2つのナイトステージが行われた。

 オープニングSSとなったラ・ブレオル〜セロネのステージは、概ねドライだったものの、あちこちでうっすらと積雪があったほか、ところどころのコーナーではラインがアイスに覆われることになった。連続して走る2つめのステージがほぼドライでもあったため、ほとんどのドライバーがスタッド付きのウィンタータイヤとスーパーソフトタイヤの組み合わせることになったが、このオープニングSSではスタッド付きのウィンタータイヤを主体としたドライバーが上位を占めることになった。なかでもタナクが群を抜く速さを見せることになり、ここで13分2秒のベストタイム、これにチームメイトのクリス・ミーク(トヨタ・ヤリスWRC)が5秒差でトヨタが1-2体制で発進、これにオジエが10.6秒差の3番手タイムで続くことになった。

 タナクはドライとなったSS2ではスタッド付きのウィンタータイヤが災いしてハーフスピンを喫しながらも3番手タイムでまとめて初日をトップでフィニッシュすることになった。タナクは、危ない瞬間があったとレポーターに聞かれながらも、「誰にとっても難しいステージになることはわかっていたので、2つのステージをカバーするために安全なタイヤ選択を行った。僕らにとって特別な問題はなかった。心配は無用だよ」と涼しい顔で答えていた。

 だが、2位につけていたチームメイトのミークにはステージ後半で波乱が待っていた。ダッシュボードに空気圧が落ちたことを報せる警告が表示されたあと、突然、右フロントタイヤをパンク、彼は1分をロスして7位まで後退することになり、2つのステージともに3番手タイムを並べて手堅いペースを刻んだオジエが、タナクから9.1秒差の2位で初日を終えることになった。

 いっぽう、スーパーソフトという大胆なタイヤチョイスを行ったヌーヴィルは、降雪のあったオープニングSSで26.8秒を失ったが、ドライとなったSS2でベストタイムを奪い、タナクから14.3秒差の3位まで浮上することになった。

「この選択をするのは少し危険だったが、僕が持っていた情報ではそれが良い選択であるように思われた。総合的にはおそらくいい選択だったと思うが、2つめのステージではもっとタイムを挽回できればよかった」

 45.2秒差の4位にはシトロエンC3 WRCでの初戦に挑んだエサペッカ・ラッピ、自信がもてずにペースが上がらないヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)は46.4秒遅れの4位につけることになった。

 ヒュンダイ・モータースポーツでのデビュー戦に臨んだセバスチャン・ローブ(ヒュンダイi20クーペWRC)はオープニングSSこそ4番手タイムでスタートしたが、2つめのステージではスタッドタイヤに手こずって8位で初日を終え、チームメイトのアンドレアス・ミケルセンが9位で続いている。

 Mスポーツ・フォード勢は、オープニングSSでテーム・スニネン(フォード・フィエスタWRC)が凍結したコーナーでオフしてリタイアとなったが、エルフィン・エヴァンスが6位で続いており、新世代WRカーの初戦を迎えたポントゥス・ティデマンドは1分41秒差の10位にとどまっている。

 明日の金曜日は、ギャップの南西に位置する、3つのロングステージを2回ループする、ラリー最長の1日となる。