Raid2024/01/18

ダカール第10ステージ、サインツとローブに問題

(c)ASO/DPPI

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 ダカール・ラリー2024の第10ステージでは、首位のカルロス・サインツ(アウディRS Q E-TRON E2 T1U)と2位で追い掛けるセバスチャン・ローブ(プロドライブ・ハンターT1+)が相次いでトラブルに見舞われることになった。サインツはどうにか首位をキープしたが、ローブは13分22秒差へと迫ってきた。

 水曜日の第10ステージは、アルーラ地域の岩の間から壮大な景色が広がる371kmをループする。ローブは53km地点でタイヤ交換のため一時ストップ、不運なことに前日にトラブルが発生した油圧によるジャッキとレンチがふたたび故障、思うように交換の作業ははかどらず、サインツからも大きく遅れてしまう。

 その後、ローブはふたたび307km地点でタイヤ交換のため再びストップに見舞われ、ロスは30分近くにも及び、なんと16番手タイム。それでも、ドラマはトップのサインツにも襲い掛かる。彼も2度のパンクでスペアを使い果たしたあと3本目をパンク、チームメイトのアシストを待つためにマシンをストップすることになった。

 ローブはサインツのトラブルにも助けられ、その差を13分22秒へと縮めることに成功、ダカール初優勝への望みをつなぐことになった。それでも彼はステージエンドで、珍しくチームの作業に憤った。油圧の問題がなければ、首位に立てていたかもしれないからだ。

「大きな問題だ。昨晩、マシンの油圧ジャッキに問題があったんだ。直ったと思っていたが、朝、出発したら故障したままだったんだ。だからタイヤを交換するために車を持ち上げることができなかった」とローブは語った。

そのため岩をよじ登ってクルマが浮き上がる場所を見つけ、ホイールを地面から離して交換しなければならなかったんだ。おまけに2度もパンクさせてしまい、油圧がないのでレンチで手作業でやらなければならなかった。運が良ければいいのに、どちらのパンクもジャッキが効かない左リアだった」

「サインツに起きた問題を見れば、僕らは大きく挽回するチャンスを逃してしまったことになる。それでも僕らはまだ彼から時間を奪っている。今日はポジティブに考えたい。本当にひどい一日だったが、明日がこれほど厄介なものにならないことを願う」

 サインツは3本目のパンクを喫したあと248km地点でマシンを止めて、チームメイトのマティアス・エクストローム(アウディRS Q E-TRON E2 T1U)のアシストを待たなければならなかったが、総合順位では13分22秒差ながら依然としてリードを保っている。

「僕らはローブよりも先行していたし、落ち着いて非常に静かにドライブしていたが、それにもかかわらず3回目のパンクをしてしまった」とサインツは嘆いた。

「タイヤがなくなったからマティアスを待たなければならなかったからね。どうしていいのかわからないよ。激しくドライブするとパンクし、ゆっくり走っても同じようにパンクするんだ・・・」

 トップ2台からは1時間近く遅れながらも、トヨタGAZOOレーシングのルーカス・モラエス(トヨタGRダカールハイラックスEVO T1U)が3位をキープし、4位にはオーバードライブ・レーシングのギヨーム・ド・メヴィウス(トヨタ・ハイラックス・オーバードライブT1+)が続いている。

 優勝争う2人がトラブルに見舞われたため、オーバードライブ・レーシングのゲラン・シシェリ(トヨタ・ハイラックス・オーバードライブT1+)が今大会で初のステージ勝利を飾り、彼は総合ランキングでセンチュリー・レーシングのマチュー・セランドリ(センチュリーCR6-T)を抜いて5位に浮上した。