WRC2021/09/27

トヨタ、ライバルを表彰台に近づけない完全布陣

(c)Toyota

 トヨタGAZOO レーシングWRTはチームの本拠地のあるユヴァスキュラで行われるラリー・フィンランドに計5台のヤリスWRCを投入、ライバルを表彰台に近づけさせないまさしく完全な布陣で今季8勝目と選手権のさらなるリードを目指す。

 トヨタは、デビューイヤーの2017年から2019年にかけてラリー・フィンランドを3年連続で制しており、この週末にはホームでの無敗記録をさらに更新し、選手権のさらなるリードを目指す。

 この重要な一戦で、トヨタはドライバーズ選手権をリードするセバスチャン・オジエ、44ポイント差の2番手で続くエルフィン・エヴァンス、前戦アクロポリスで2勝目を飾ったカッレ・ロヴァンペラという3人の強力なメンバーをワークスノミネート、さらに躍進のシーズンのハイライトとなる活躍が期待される勝田貴元、来季、チームに復帰するための重要なステップに挑むエサペッカ・ラッピもファクトリーが完全サポートしたヤリスWRCでチームの選手権をサポートすることになる。

 今季のラリー・フィンランドは、例外的に秋季の開催となるため、例年より気温がかなり低くなる可能性が高く、降雨によって路面が湿ったりぬかるんだりすることも予想されているが、チーム代表を務めるヤリ-マティ・ラトバラは、フィンランドで開発されたヤリスWRCがこの新しいチャレンジでも強さを発揮してくれると信じている。

「私自身のホームイベントであるラリー・フィンランドに、今年チームを率いて臨むのは、もちろんこれまでとは違う感覚だ」とラトバラは語った。

「フィンランドは素晴らしい雰囲気をもつが、10月に開催されたことは過去にはなく、路面のグリップは例年よりも低いだろうし、天気が悪ければさらに滑りやすくなるだろう。また、ラリー・フィンランドでは1990年代以降行われていなかった、暗闇の中でのナイトステージも興味深い試みとなりそうだ」

 ラトバラは、チームにとってのホームラウンドにおけるヤリスWRCの速さに絶対の自信をもっているものの、チャンピオンシップにとって重要な局面になるだけに油断することなく戦いに臨む決意だ。

「もちろんヤリスWRCはフィンランドの道で開発されてきたので、今回もきっと強さを示してくれると思うが、チャンピオンシップにとって重要な局面において油断は禁物だ。カッレにとってはホームイベントですし、最近の2回の優勝がきっと追い風になるだろうし、カッレだけでなく我々のチームの全ドライバーが上位争いをできるはずだ」