トヨタGAZOOレーシングのヘンク・ラテガン(トヨタGRハイラックス・エボ)が48時間クロノステージを終えてダカールラリーの総合トップに浮上した。一方、日曜日に電気系トラブルで何度かマシンを止めたセバスチャン・ローブ(ダチア・サンドライダー)は15分近くタイムを縮め、首位から18分56秒遅れの総合6位まで挽回している。
日曜日にスタートした48時間クロノステージは、618km地点のすぐ後ろに位置するブレイクポイントEで一夜を明かした後、各クルーは月曜日午前7時にクロノ後半に向けて出発した 。この時点で、オーバードライブ・レーシングのヤジード・アル-ラジ(トヨタ・ハイラックス)が、ステージとラリーの両方で暫定首位を保持していた。
南アフリカ出身のラテガンは、この日を3位でスタートしたが、すぐにトップとの差を詰め、残り200km付近でリードを奪取し、アル-ラジから4分強遅れのステージ2位となったが、総合タイムでは4分45秒の差をつけて首位に躍りだした。
5度のダカール優勝経験を持つナッサー・アル-アッティーヤ(ダチア・サンドライダー)であまり良い走りができず、アル-ラジとラテガンに遅れをとってしまい、首位から11分14秒遅れの総合3位につけている。
オーバードライブ・レーシングのトビー・プライス(トヨタ・ハイラックス・エボ)がわずか30秒差の総合4位で続いており、トヨタのハイラックスが現時点でトップ4に3台が入る健闘を見せている。
総合5位は、首位から13分16秒遅れのMスポーツ・フォードのマティアス・エクストロームとエミール・ベルクヴィスト(フォード・ラプター)だ。
しかし、ステージを動かしたのはやはりローブで、彼は日曜日に電気系のトラブルによってベンチレーターを失ってステージ上で2度のストップを余儀なくされ、最速タイムから30分以上遅れていたが、月曜日は追い上げをみせた
彼は739km地点でアル-ラジから7分を奪うと、残り200kmでもその差を縮め続け、フィニッシュ時にはわずか13分08秒差まで追い上げて総合6位に浮上した。
クロノの開始時に優勝の望みが消えたかに見えたローブだが、残り10ステージでまだ優勝争いに加わる可能性がある。
「僕たちにとって、非常に長く、難しいステージだった」とローブは語った。「電気系統のトラブルで37分間ストップせざるを得なかった。その時点では修復は不可能で、リタイアするしかないと思っていたが、最終的にパブロと一緒にマシンを再始動させる方法を見つけて、なんとかうまく動かすことができた」
「マシンは本当に良くて、20分近くを挽回できたので、昨日予想していたよりも良い状態だ。一時はリタイアも覚悟したが、今はラリーに戻ってこれたと感じている」
フォードMスポーツのカルロス・サインツ(フォード・ラプター)とナニ・ロマ(フォード・ラプター)はともにトラブルに見舞われて大きく遅れてしまっている。サインツは日曜日の横転の影響でフロントガラスを失ったまま月曜日のステージに臨み首位から1時間26分以上遅れた総合26位となってしまった。ダカールの2度の勝者であるロマも月曜日の朝、メカニカルトラブルに見舞われ、再スタートする前にMスポーツのアシスタンス・トラックを待たなければならなかった。
そのほか、トヨタGAZOOレーシングは、ジニール・ドゥ・ヴィリエとチームメイトのサウド・ヴァリアワが濃い砂塵の中で衝突し、2台のマシンはともに大きなダメージを負って遅れてしまった。この事故はステージ終盤に発生したが、両クルーに怪我はなかった模様だ。