ERC2020/10/21

ヒュンダイ、またもや品質管理ミスで車両違反

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 ヨーロッパ・ラリー選手権第3戦のラリー・ファフェ・モンテロンゴを3位でフィニッシュしたヒュンダイ・エスパーニャのイヴァン・アレスのヒュンダイi20 R5にホモロゲーション違反があったとして、イベント・スチュワードはゴールから10日あまり経った15日にヒュンダイ・モータースポーツに対して6万ユーロ(うち3万ユーロは2021年までの猶予付き)という厳しい罰金が科されることになった。

 ヒュンダイは先日のラリー・イタリア・サルディニアでも優勝を飾ったダニエル・ソルドのヒュンダイi20クーペWRCのリヤサブフレームがホモロゲーションで認められた数値よりも軽量だったことから猶予付きの3万ユーロの罰金が科されているが、これらはともに外部サプライヤーから受け取った部品の管理を怠っていたことに原因となっている。

 ラリー・ファフェ・モンテロンゴのスチュワードによれば、アレスのi20 R5の4枚のドアのうち3枚において使用されている衝撃吸収のための発泡フォームが重量、色、密度、構成要素の数ともに承認要件を満たしていなかったことから、このマシンのプリペアを行ったヒュンダイ・アレス・レーシングチームに聴き取り調査を行ったが、マシンはヒュンダイから3月に納車されて以降、この部品の交換などは行ってないと証言しており、ヒュンダイに事実確認のための調査が行われたという。

 ヒュンダイによれば、この発泡フォームはヒュンダイi20クーペWRCのサプライヤーと同じナポレオン社から納品されたものであり、より軽量であるWRカーに使用されるまったく異なる素材だったにもかかわらず、チェックミスでi20 R5にも使用されていたことを認めている。

 スチュワードは、今回のホモロゲーション違反についてはクルーとチームの責任を問わずにラリー・ファフェのアレスの3位という結果についてはそのままとしたが、ヒュンダイの品質管理体制の問題には前例があり、なおかつ今回については安全部品のチェックを怠ったことを重くみて、6万ユーロという高額な罰金を科すことになった。また、このうち3万ユーロは保留処分となったが、2021年シーズン終了までERCで同様の違反を犯すことはできないという長期におよぶ猶予期間が付いた厳しい裁定が下っている。