2024年世界ラリー選手権の最終戦ラリー・ジャパンでヒョンデi20 N Rally1にホモロゲーション書類に準拠していないパーツが使用がされていたことから、スチュワードはヒョンデ・モータースポーツに対して2万5000ユーロ(およそ400万円)の罰金を科している。
ラリー・ジャパンがフィニッシュしたあとの車両検査において、新しい世界チャンピオンに輝いたティエリー・ヌーヴィルの11号車のリヤディファレンシャル・ケースが、FIAホモロゲーション書類Ra1-22/02に添付された写真と一致せず、ホモロゲーションに準拠していないことが判明した。FIAのテクニカルデリゲート(技術代表)は、チームメイトのアンドレアス・ミケルセンの9号車についても、同じ部品の検査を要求、こちらもRa1-22/02に準拠していないことが判明した。
そのため、スチュワードは、フランスのヴァレイリーにあるFIAの施設でさらなるチェックを行うよう要請、そこにはヒョンデが今シーズンの11号車と9号車に登録されたすべてのリヤディファレンシャルを持ち込んだ。そこで、2022年に最初のホモロゲーションのために預けられたリヤディファレンシャルのCADデータとの比較が厳正な手続きのもとで行われたが、物理的には部品は正しいものであり、ラリー・ジャパン後にチェックされた部品はCADデータと元のホモロゲーションと一致していたことが判明している。
しかしながら、スチュワードによれば40/09ERJ(ジョーカー1C 2024)のホモロゲーションのために2024年にFIAに提出された部品は正しいものではなく、本来提出すべきものではなかった。また、ホモロゲーション・フォームの写真も正しくなかった。
スチュワードは、火曜日(12月10日)に、FIA、ヒョンデ・チーム代表のシリル・アブテブールをはじめとするヒョンデのチーム首脳陣、スチュワード委員が出席したビデオ会議によるヒアリングを行った。スチュワードの文書によると、ヒョンデWRCプログラムマネージャーのクリスチャン・ロリオーは「ホモロゲーション・フォームの写真は2021年に作られたプロトタイプケースのものだったと説明、ミスにより、ホモロゲーション・フォームに添付された写真の修正を依頼し忘れていた」と報告している。
また、アビテブール代表は「これらの過失について謝罪し、ヒョンデではこの種のミスを避けるために社内プロセスを改善する必要があると述べ、CADファイルは彼らのマシンに取り付けられた部品と一致しており、チームが誠意を持って行動したことを強調するために(審査では)これを考慮に入れるべきだと付け加えた」
しかし、スチュワードは、ヒョンデはFIA公認車両がFIAホモロゲーション・フォームに従うことを定めた2024年FIA国際スポーツコードの第10.3.3条に違反していると判断。事務的なミスやホモロゲーション書類の間違いは「例外的な状況」に該当する可能性があるため、ヒョンデの11号車と9号車の2台についてイベントからの除外という厳罰を免れることになり、ヒョンデには2万5000ユーロの罰金が科されている。
また、ヒョンデにはさらに猶予付きの2万5000ユーロの罰金が科せられたが、これは2025年WRC開幕戦のラリー・モンテカルロのイベント前車検までにこのホモロゲーション書類を修正すること、来シーズンのいずれのイベントでも同じ問題がないことを条件として免除される。